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  • 昭和45年度|
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鉄筋コンクリート造り建物建築工事の施行にあたり、基礎等を設計と相違して施工したもの


(143) 鉄筋コンクリート造り建物建築工事の施行にあたり、基礎等を設計と相違して施工したもの

科目 (工事勘定) (項)一般線路増設等施設費
部局等の名称 東京第三工事局
工事名 高崎車両基地増強その11高崎第一機関区現業事務所新築その1(躯体)その他工事
工事の概要 鉄筋コンクリート造り4階建延1,219m2 の高崎第一機関区現業事務所躯体等を新設するもの
工事費 34,065,322円(当初契約額31,500,000円)
請負人 大日本土木株式会社
契約 昭和45年7月 指名競争契約
しゅん功検査 昭和45年12月
支払 昭和45年9月、12月

 この工事は、監督および検査が適切でなかったため、事務所建物の基礎および柱、はり等のコンクリートの施工が設計と相違し、建物躯体(工事費20,115,150円)としての強度および耐久性が設計に比べて著しく低くなっていて工事の目的を達していないと認められる。

(説明)

 この工事の設計図面および仕様書によると、鉄筋コンクリート4階建躯体延1,219m2 は、PCコンクリートの支持杭の上にフーチング(注) およびこれに接続する床下の柱14箇所を主筋22mmの鉄筋コンクリートで施工し、また、柱、はり、壁および階段を主筋9mmから25mmの鉄筋コンクリートで施工することとしている。
 しかし、実際は、フーチングは、型わくの一部を施工しなかったなどのため不整形となり、その大部分の厚さが不足しているばかりでなく、コンクリートは締固めが十分でなかったため空げきが多い粗悪なものとなっており、また、建物を直接支持する床下の柱のコンクリートは、フーチングと同様に空げきが多い粗悪なものとなっていて随所に鉄筋が露出し、実地検査当時(46年6月)すでに発錆している状況であった。
 また、柱56本のうち25本、はり100本のうち11本、壁8面のうち5面および階段の鉄筋コンクリートについても、前記同様空げきが多い粗悪なものとなっている。このため、建物は、その強度および耐久性が設計に比べて著しく低くなっていて工事の目的を達していないと認められる。

(注)  フーチング 橋脚、橋台、柱等の基礎部分