ページトップ
  • 昭和46年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の事項|
  • 第10 建設省|
  • 不当事項|
  • 工事

橋梁工事の施行にあたり、仮橋等に使用する鋼材の加工費等の算定が適切でなかったため、契約額が割高となったもの


( 144) 橋梁工事の施行にあたり、仮橋等に使用する鋼材の加工費等の算定が適切でなかったため、契約額が割高となったもの

会計名および科目 道路整備特別会計(項)道路事業費
部局等の名称 東北地方建設局
工事名 宮古橋下部工工事
工事の概要 一般国道45号線改良工事の一環として、宮古橋の橋台3基、橋脚8基等を築造する工事
工事費 292,270,000円(当初契約額270,500,000円)
請負人 株式会社鴻池組
契約 昭和46年7月 指名競争後の随意契約

 この工事は、工事用の仮橋等に使用する鋼材の加工費等の算定が適切でなかったため、契約額が約1380万円割高になったと認められる。

(説明)

 この工事の予定価格の内訳についてみると、工事用の仮橋等の上部構造に使用するH形鋼、溝形鋼等の鋼材297.08tについては、本件仮橋の上部構造が横断歩道橋の上部構造に類似しているものであるとし、横断歩道橋製作の場合の鋼材加工の積算基準を準用して加工費を1t当り48,100円総額14,289,548円と算定し、また、前記部局が定めた積算基準により損料を総額5,563,095円と算定していた。
 しかし、本件契約にあたって前記の業者に提示した仮橋の参考図等からみると、本件工事に使用する上記の鋼材のうち補強材等24.774tを除く272.306tは、現場で簡単な切断や穴あけ程度の加工をするだけで、横断歩道橋に使用する鋼材のように複雑な工場加工を必要とするものではないのであるから、前記のように、横断歩道橋の場合の製作工数を準用して加工費を算定したのは適切とは認められない。
 しかして、建設省においては、鋼材を仮設材として使用する場合の損料算定基準(鋼製仮設材仮設損料算定基準)を定めており、この基準は、工場加工を要しない軽度の加工に要する費用も含まれているものとして運用されているのであるから、本件工事においても、鋼材のうち前記のとおり現場で簡単な加工をする程度で足りると認められる272.306tについては、上記の損料算定基準を適用して算定すれば足りたと認められる。
 いま仮に、仮橋等に使用する鋼材のうち272.306tについては前記の損料算定基準を適用することとして修正計算すると、鋼材297.08t分の加工費は1,191,629円、損料は6,968,967円、工事費総額は278,463,830円になり、本件契約額はこれに比べて約1380万円割高であったと認められる。