北海道東北開発公庫

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第８　北海道東北開発公庫

（事業概要について）

　昭和４６年度の事業計画は、当初、貸付け６０５億円、出資１０億円計６１５億円であったが、その後の改訂により貸付け６５５億円、出資１０億円計６６５億円になった。これに対し、実績は、貸付け６６３億０５００万円、出資１億９５００万円計６６５億円で、前年度に比べて１４５億円増加している。この実績を地方別にみると北海道、東北地方ともに３３２億５０００万円である。
　貸付実行額を業種別にみると、そのおもなものは次のとおりである。

　このうち前年度に比べて増加の著しいものは、石油鉱業および石油精製業（４８億５０００万円増）、紙およびパルプ工業（３２億１５００万円増）、水運業（２９億４５００万円増）、金属鉱物の採掘および製錬業（２４億１５００万円増）である。なお、４６年８月、基準利率を従前の年８．３％から年８．２％に引き下げるとともに、９月、北海道東北開発債券の発行価格額面１００円につき従前の９８円を９８円９０に改定している。

　貸付実行額から回収額３６５億９５３３万余円および滞貸償却額１２億８９７４万余円を差し引いた貸付金の年間純増加額は２８４億１９９２万余円であり、年度末貸付金残高は２１６０億９１７８万余円になっている。このうち弁済期限を６箇月以上経過した元金延滞額は１８億０１７１万余円（うち１年以上延滞のものは１４億９９４７万余円）で、前年度末に比べて１８億８５９０万余円（１年以上延滞のものでは１８億３１６８万余円）減少している。これは前年度末において延滞となっていた硫黄鉱業に対する貸付金１９億１１００万円のうち１２億８９７４万余円を更生計画認可の決定に基づいて滞貸償却したことなどによるものである。

　出資実行額のうち、９５００万円は４６年９月に設立された株式会社岩手開発に対して出資したものであり、１億円は石狩開発株式会社の増資に際して払い込んだものである。
　４６年度末現在の出資金残高は２５億９４５０万円であり、この出資先は苫小牧港開発株式会社ほか１７会社で、これらの会社のうち、利益金を計上しているものは１０会社（うち利益配当を行なっているもの４会社）、利益金を計上することができないものは７会社、清算中のものは１会社である。
　４６年度中の資金交付額は６６７億９９００万円で、この原資には、産業投資特別会計からの出資金１０億円、資金運用部資金からの借入金１２０億円、債券発行による収入金４３４億８２６７万円および回収金等１０３億１６３３万円を充当している。

（損益について）

　４６年度において、利益は、貸付金利息１６８億９４５３万余円等２０６億２３７５万余円、損失は、債券利息１２９億７５４２万余円、借入金利息１８億６８５２万余円、事務費９億３４５２万余円等滞貸償却引当金繰入前で１８８億５２８２万余円になり、差額１７億７０９３万余円を全額滞貸償却引当金に繰り入れたため利益金を生じなかった。この繰入額は年度末貸付金残高の１０００分の８．１９に相当し、これを加えた滞貸償却引当金１１７億４１５０万余円は年度末貸付金残高の１００分の５．４３になり、累積限度額の９０．５％になっている。
　４６年度の総収益率は７．８７％で、貸付金利息の収入が順調であったことなどにより前年度に比べて０．１０％上昇している。滞貸償却引当金繰入前の経費率は６．９９％で、債券発行関係の経費が増加したことなどにより前年度に比べて０．０９％上昇している。また、滞貸償却引当金繰入前の利益率は０．８７％になり、前年度に比べて０．０１％上昇している。