昭和46年度の貸付計画は、前年度の地方債許可にかかわる分を含めて1140億5000万円であったが、その後の改訂により1393億6500万円になった。これに対し、貸付実行額は前年度の計画に基づいて46年度に貸付実行した分を含め1368億2650万円で、前年度に比べて351億6560万円増加している。
貸付実行額を事業別にみると、そのおもなものは次のとおりである。
水道事業 | 612億5120万円 | |
地域開発のためにする臨海工業用地等の造成事業 | 251億3500万円 | |
公共下水道事業 | 136億9800万円 | |
有料道路事業 | 104億0500万円 | |
工業用水道事業 | 92億8300万円 |
このうち前年度に比べて増加の著しいものは、水道事業(213億5320万円増)および公共下水道事業(64億9660万円増)である。
46年度において公営企業債券の発行条件を改定し、政府保証公営企業債券(公募債)については、9月発行分から発行価格額面100円につき従前の98円を98円90に、地方公務員の共済組合等の引受けによる公営企業債券(縁故債)については、10月発行分から従前の98円20を99円10に改めた。これに伴い、同年度の地方債許可にかかわるものから、貸付基準利率を従前の年7.6%から年7.5%に引き下げている。また、公営競技納付金を原資とする公営企業健全化基金(45年度末残高54億5772万余円および46年度納付額70億8161万余円)の運用益を充当して水道、工業用水道、交通、市場および公共下水道の各事業ならびにこれら各事業の借換債の貸付利率を0.5%引き下げている。この結果、貸付利率は、水道、工業用水道、交通(高速鉄道を除く。)および公共下水道の各事業については、政府補給金による0.3%の利下げとあわせて基準利率より0.8%低い年6.7%になり、また、高速鉄道、市場の両事業および前記の借換債については、基準利率より0.5%低い年7.0%になった。
貸付実行額から回収額412億4726万余円を差し引いた貸付金の年間純増加額は955億7923万余円であり、年度末貸付金残高は5489億8506万余円になっている。
46年度中の資金交付額は1368億2650万円で、この原資には、産業投資特別会計からの出資金2億円、公営企業債券の発行による収入金1101億8372万円(公募債520億9874万円、縁故債580億8498万円)および回収金等264億4278万円を充当している。
46年度において、利益は、貸付金利息357億0840万余円、一般会計より受入3億5100万円等370億6602万余円、損失は、債券利息343億7349万余円、債券発行諸費8億6000万余円、債券発行差金償却費4億9748万余円、事務費2億7025万余円等370億6602万余円で、利益損失同額になり、利益金を生じなかった。これは債券発行差金について6463万余円を特別に償却したことによるものである。
46年度の総収益率および総経費率は7.14%で、前年度に比べて0.09%低下している。