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  • 昭和46年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 政府関係機関その他の団体別の事項

中小企業信用保険公庫


第10 中小企業信用保険公庫

(事業概要について)

 昭和46年度において、保険事業では、北海道信用保証協会ほか50協会との間に保険関係が成立する保険価額を1兆8448億2600万円と予定した。これに対し、保険関係が成立した保険価額は1兆7185億4730万余円で、前年度に比べて4450億0259万余円(34.9%)増加している。46年度中に中小企業信用保険公庫が受け付けた保険価額の増加額は1兆7137億1070万余円、完済等による減少額は1兆1636億2717万余円で、差引き年間純増加額は5500億8353万余円であり、年度末保険価額残高は2兆1661億2895万余円になっている。なお、一般会計からの出資金60億円を保険準備基金に受け入れている。また、中小企業者の資金需要の大口化に対処するため、46年4月、普通保険および特別小口保険の付保限度額の引上げなどを行なっている。

 融資事業では、信用保証協会に対する貸付額を473億0600万円と予定した。これに対し、貸付実行額は長期資金462億4100万円および短期資金4億3000万円計466億7100万円で、前年度に比べて33億0600万円増加している。なお、46年7月、長期資金の貸付利率を改定し、貸付金残高が5億円をこえない部分については従前の年2.5%を3.0%に引き上げ、5億円をこえる部分については、従前は一律に年3.0%であったが、うち20億円をこえない部分については3.5%に、20億円をこえる部分については4.0%にそれぞれ引き上げている。
 貸付実行額から回収額398億0600万円を差し引いた貸付金の年間純増加額は68億6500万円であり、年度末貸付金残高は704億2300万円になっている。
 46年度中の資金交付額は466億7100万円で、この原資には、一般会計からの出資金70億円および貸付回収金396億7100万円を充当している。

(損益について)

 46年度において、保険事業では、利益は、保険料83億3743万余円、回収金98億6438万余円等205億6540万余円、損失は、保険金166億2400万余円、事務費8億4179万余円、支払備金繰入18億6671万余円等責任準備金繰入前で193億6598万余円になり、11億9941万余円の差額が生じるが、30億9249万余円を責任準備金に繰り入れたため18億9308万余円の損失金を生じている。責任準備金繰入は41年度以来5年ぶりに行なわれたものである。この繰入額は、年度末保険価額残高(保険金支払の請求を受けているものおよび保険事故発生のものを除く。)にかかわる保険金額1兆5963億6025万余円の1000分の1.93に相当し、繰入限度額の9.68%になっている。

 融資事業では、利益は、貸付金利息20億2782万余円等20億2823万余円、損失は、事務費1億2963万余円等1億3515万余円で、18億9308万余円の利益金を生じたが、これをもって保険事業の損失金を補てんしている。
 この結果、総括損益においては利益損失同額になり、利益金を生じなかった。