昭和46年度の貸付計画は、当初765億円であったが、その後の改訂により785億円になった。これに対し、貸付実行額は760億5881万余円で、当初計画を下回ったが、前年度に比べて130億5310万余円増加している。
環境衛生金融公庫は貸付業務を国民金融公庫ほか2金融機関に委託していて、貸付実行額を委託先別にみると、国民金融公庫664億7919万余円(87.4%)、中小企業金融公庫90億4332万円(11.9%)、商工組合中央金庫5億3630万余円(0.7%)になっている。貸付実行額を資金用途別にみると、そのおもなものは、店舗等373億2617万円、衛生設備および近代化設備353億6109万余円で、前年度に比べてそれぞれ55億1782万余円、72億9772万余円増加している。また、貸付実行額を業種別にみると、そのおもなものは、飲食店関係営業377億5707万余円、ホテル・旅館業114億1149万円で、前年度に比べてそれぞれ87億3448万円、5億5254万余円増加している。
貸付実行額から回収額411億6729万余円を差し引いた貸付金の年間純増加額は348億9151万余円であり、年度末貸付金残高は24万余件1635億8501万余円になっている。このうち弁済期限を6箇月以上経過した元金延滞額は3億9887万余円(うち1年以上延滞のものは2億9114万余円)で、前年度末に比べて1億4441万余円(1年以上延滞のものでは1億2114万余円)増加している。
46年度中の資金交付額は754億6765万余円で、この原資には、資金運用部資金からの借入金698億円および回収金等56億6765万余円を充当している。
46年度において、利益は、貸付金利息122億4628万余円、一般会計より受入16億2418万余円等146億6750万余円、損失は、借入金利息95億4289万余円、業務委託費36億6535万余円、事務費1億7444万余円等滞貸償却引当金繰入前で139億3043万余円になり、差額7億3706万余円を全額滞貸償却引当金に繰り入れたため利益金を生じなかった。この繰入額は年度末貸付金残高の1000分の4.50に相当し、これを加えた滞貸償却引当金16億5101万余円は年度末貸付金残高の100分の1.00になっている。
46年度の総収益率は9.09%で、前年度に比べて一般会計からの受入額が4億7995万余円増加したことにより0.03%上昇している。滞貸償却引当金繰入前の経費率は8.59%で前年度に比べて0.04%低下している。また、滞貸償却引当金繰入率は0.49%になり、前年度に比べて0.08%上昇している。なお、一般会計からの受入額を除いた収益率は7.99%になり、上記の経費率を0.60%下回っている。