科目 | (款)一般有料道路改良費(項)改良工事費 (款)受託等業務費(項)受託工事費 |
部局等の名称 | 東京支社 |
工事名 | (1) 東伊豆道路(下田区間)柿崎地内改良(その1)工事 (2) 東伊豆道路(下田区間)柿崎地内改良(その2)工事 |
工事の概要 | 2車線の道路を4車線に拡幅し、中央分離帯および歩道を設置する工事 |
工事費 | (1) 67,225,815円(当初契約額72,200,000円) (2) 66,470,294円(当初契約額74,500,000円) |
請負人 | (1) 株式会社河津組 (2) 東洋建設株式会社 |
契約 | 昭和46年8月 指名競争契約 |
しゅん功検査 | 昭和47年2月 |
支払 | 昭和46年11月〜47年3月 3回 |
これらの工事は、セルラーブロックの据付等経費の積算が適切でなかったため、契約額がその1工事で約420万円、その2工事で約340万円割高になったと認められる。
(説明)
この工事の予定価格の内訳をみると、護岸用のセルラーブロック(その1工事106個、その2工事103個、1個当り重量5.212tから10.94t)の据付けについては、13tトラッククレーンを使用して施工することとして据付等経費を1個当り41,977円から69,649円、その1工事で6,530,370円、その2工事で5,447,051円と積算していた。
しかして、この1個当りの据付等経費のうち、機械経費についてみると、本件作業が石積用石材の荷上げ作業と同様の内容であるとし、その場合の積算基準を適用してセルラーブロック1m3
当り4,255円と算定し、また、労務費についてみると、1個当りとび工6人または7人を要するとして1個当り19,800円または23,100円と算定している。
しかし、機械経費の算定基礎とした石積用石材の荷上げ作業は、クレーンの1サイクルごとに1個当り40kg前後の石材10個程度を荷上げする作業であり、これに対して本件セルラーブロックの据付等作業は、1サイクルごとに1個5tから10t程度のものを直接吊り上げて移動させる作業であって、両者の1サイクル当りの作業量に相当の差異があり、後者の方が単位重量当りのクレーンの稼働能率がはるかに高いのに、この作業の機械経費積算にあたって前者の積算基準を適用したため積算額が過大となっていると認められる。そして、日本道路公団においても、この種ブロックの据付工事を施工した前例があり、施工の実態に即して機械経費を積算している状況であるのに、これらの前例等も調査しないで前記のような積算をしたのは適切とは認められない。しかも、セルラーブロック1個当りの機械経費を算出するにあたって、1m3
当りの機械経費にセルラーブロック1個当りの実体積2.085m3
から4.376m3
を乗ずべきであるのに、誤って1個当りの重量5.212tから10.94tを乗じたため機械経費がさらに過大となっている。また、労務費積算の基礎として前記のように1個当りとび工6人または7人を要するとしているが、本件作業の実態からみて、この人数は本件作業を行なう1編成の人員に相当するものであると認められるのに、誤ってこれを1日当り1編成で数個の据付等作業を行なう本件工事について1個当りのものとして労務費を算定したため積算額が過大となっていると認められる。
いま仮に、本件セルラーブロックの据付等経費を適切に積算すると、1個当り5,658円から8,371円となり、これにより工事費を修正計算すると、当局の積算において積算漏れとなっていた被覆捨石の均し費等(その1工事で2,952,020円、その2工事で2,618,712円)を考慮しても、その1工事62,776,741円、その2工事62,964,850円となり、本件契約額はこれに比べてその1工事で約420万円、その2工事で約340万円割高であったと認められる。