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  • 昭和47年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 政府関係機関その他の団体別の事項|
  • 第3 日本電信電話公社|
  • 意見を表示し又は処置を要求した事項

RDワイヤの撤去費の積算について処置を要求したもの


RDワイヤの撤去費の積算について処置を要求したもの

(昭和48年11月17日付け48検第302号日本電信電話公社総裁あて)

 東京ほか10電気通信局(注1) 及び同管内各電気通信部等が昭和47年度中に施行した浅川局加入者新増設工事ほか1,145工事について検査したところ、次のとおり、RDワイヤ(注2) の撤去費の積算が適切でないと認められる点が見受けられた。
 すなわち、上記の各工事は、急増する電話需要に応じるため市内線路を新、増設するとともに、既設のRDワイヤ(2対、6対及び16対の3種類がある。)約2,100kmを撤去するもので、この撤去費(1,146工事分総額約1億2300万円)については、1km当たりの所要労務工数10.56人(撤去品を再用しない場合の工数)を基礎にして算出した地域別の単価39,802円から48,823円により積算している。

 しかして、上記の所要労務工数は、形状が類似し単位当たり重量もほぼ同程度のSDワイヤ(注3) (主として2対及び6対の2種類がある。)を再用しないものとして撤去する場合の所要労務工数7.12人に比べて相当の開差を生じているので、RDワイヤ及びSDワイヤの撤去の内容等を調査したところ、その工法については両者とも同一の標準実施方法によることとされており、また、同一対数のものの重量はSDワイヤに比べてRDワイヤの方が軽量であり、しかも、SDワイヤ撤去の上記工数は、ほぼ実情に適していると認められたので、同一対数のRDワイヤについてはほぼ同程度の工数によって撤去できると認められる。そして、RDワイヤには、架設総延長のうちに単位重量の大きい16対のものが4分の1程度含まれているので、これを勘案すると、本件RDワイヤの撤去に要する労務工数は、日本電信電話公社が見込んだところによっても1km当たり8.0人程度になる。したがって、撤去費は1km当たり30,172円から37,102円で足りることになり、これによれば相当額の経費を節減できると認められる。
 ついては、本件RDワイヤの撤去は今後も引き続き行われると認められるので、撤去に要する労務工数について検討を加えて経費の節減を図る要があると認められる。

(注1)  東京、関東、信越、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州、東北、北海道各電気通信局

(注2)  RDワイヤ Rural Distribution Wireの略。ビニル及びポリエチレンで被覆絶縁した心線2本をより合わせて1対とし、これを所定の対数分ビニル被覆鋼線により合わせたもの

(注3)  SDワイヤ Self Supporting Distribution Wireの略。RDワイヤの改良品であり、ポリエチレンで被覆絶縁した心線2本をビニルで被覆して1対とし、これを所定の対数分ビニル被覆鋼線により合わせたもの