昭和４７年度決算検査報告
昭和４７年度の貸付計画は、当初７１０７億円であったが、その後の改定により７８６７億円となった。これに対し、貸付実行額は７６９８億６８３４万余円で、前年度に比べて５５０億２７７４万余円増加している。これを貸付種類別にみると、その主なものは、普通貸付７３５８億１９２５万余円、恩給担保貸付３３８億９１８４万余円で、前年度に比べて普通貸付は５８９億１３０９万余円増加し、恩給担保貸付は３４億２６９２万余円減少している。なお、４７年４月に既往貸付け分を含めて基準利率を年８．２％から年８，０％に引き下げ、更に、同月以降の貸付け分については８月から年７．７％に引き下げている。
貸付実行額から回収額６０８５億９７６１万余円及び滞貸償却額６億４４９９万余円を差し引いた貸付金の年間純増加額は１６０６億２５７３万余円であり、年度末貸付金残高は１６３万余件１兆０４７６億８５５０万余円（うち代理貸付けは１９万余件１２５４億９６２０万余円）となっている。このうち弁済期限を６箇月以上経過して延滞となっている貸付けの元金残高は５７億５４９０万円（うち１年以上延滞のものは４１億８１９６万余円）で、前年度末に比べて１７億４７４０万余円（１年以上延滞のものでは１６億６２２３万余円）減少している。これは、４８年３月、公庫と国及び都道府県との間で更生資金貸付基金の精算を行い、全額延滞となっていた更生資金貸付のうち取立て不能額について都道府県から１１億１１０４万余円（ほかに利息分４億９０８７万余円）の補償を受けたこと、３億３２４５万余円を償却したことなどによるものである。
４７年度中の資金交付額は７６９４億２２４３万余円で、この原資には、資金運用部資金からの借入金３９１７億円、簡易生命保険及郵便年金の積立金からの借入金２１０億円及び回収金等３５６７億２２４３万余円を充当している。
環境衛生金融公庫からの受託業務においては、４７年度中の貸付額は７４９億６１７８万余円、回収額は４７４億０３５１万余円で、年度末貸付金残高は１６５３億５７６９万余円となっている。
４７年度において、利益は、貸付金利息７９１億６４９９万余円、雑収入３９億８９３８万余円、一般会計より受入８億円等８６２億９０３７万余円、損失は、借入金利息６０６億０８５５万余円、事務費１１８億７３１２万余円、業務委託費２９億９２４９万余円等滞貸償却引当金繰入れ前で８１４億３４２４万余円となり、差額４８億５６１２万余円を全額滞貸償却引当金に繰り入れたため利益金を生じなかった。この繰入れ額は年度末貸付金残高の１，０００分の４．６３に相当し、これを加えた滞貸償却引当金３２３億２３９６万余円は年度末貸付金残高の１００分の３．０８となり、累積限度額の５１．４２％になっている。
４７年度の総収益率は８．００％で、貸付利率を引き下げたことなどにより前年度に比べて０．１８％低下している。滞貸償却引当金繰入れ前の経費率は７．５２％で、前年度に比べて０．０４％低下している。また、滞貸償却引当金繰入れ率は０．４８％となり、前年度に比べて０．１４％低下している。