昭和47年度の貸付計画は、当初5355億円であったが、その後の改定により5935億円となった。これに対し、貸付実行額は6123億0649万余円で、前年度に比べて336億2730万余円増加している。
貸付実行額から投資育成会社貸付金3億円及び設備貸与機関貸付金41億3050万円を除いた6078億7599万余円を貸付方式別にみると、直接貸付け2547億2078万円(41.9%)、代理貸付け3531億5521万余円(58.1%)となっている。また、これを資金使途別にみると、設備資金3424億3587万余円(56.3%)、運転資金2654億4012万余円(43.7%)となっている。なお、47年4月に既往貸付け分を含めて基準利率を年8.2%から年8.0%に引き下げ、更に、同月以降の貸付け分については8月から年7.7%に引き下げている。
貸付実行額から回収額等4326億1978万余円を差し引いた貸付金の年間純増加額は1796億8670万余円であり、年度末貸付金残高は1兆3275億0442万余円となっている。このうち弁済期限を6箇月以上経過した元金延滞額は41億9042万余円(うち1年以上延滞のものは37億0886万余円)で、前年度末に比べて7億6406万余円(1年以上延滞のものでは4億6186万余円)減少している。
47年度中の資金交付額は5925億9950万余円で、この原資には、資金運用部資金からの借入金2959億円、簡易生命保険及郵便年金の積立金からの借入金260億円、債券発行による収入金499億9530万円及び回収金等2207億0420万余円を充当している。
また、47年度末における東京、名古屋及び大阪の各中小企業投資育成株式会社に対する出資金残高は7億8000万円で、前年度末に比べて7900万円減少している。これは、38年に各会社が発行し公庫が引き受けた優先株式が、当該各会社の46営業年度利益処分により消却されたことによるものである。
47年6月、環境衛生金融公庫からの業務受託にかかわる契約を解除し、貸付金残高246億1595万余円を同公庫に移管した。
47年度において、利益は、貸付金利息966億2705万余円等1041億5260万余円、損失は、借入金利息563億9575万余円、債券利息218億3471万余円、業務委託費128億3756万余円、事務費52億9680万余円等滞貸償却引当金繰入れ前で1023億2911万余円となり、差額18億2348万余円を全額滞貸償却引当金に繰り入れたため利益金を生じなかった。この繰入れ額は年度末貸付金残高の1,000分の1.37に相当し、これを加えた滞貸償却引当金327億8150万余円は年度末貸付金残高の100分の2.46となり、累積限度額の41.15%になっている。
47年度の総収益率は7.70%で、貸付利率を引き下げたことなどにより前年度に比べて0.33%低下している。滞貸償却引当金繰入れ前の経費率は7.55%で、委託手数料率を引き下げたことなどにより前年度に比べて0.14%低下している。また、滞貸償却引当金繰入れ率は0.15%となり、前年度に比べて0.19%低下している。