昭和47年度の貸付計画は910億円であり、これに対し、貸付実行額は838億9976万余円で、前年度に比べて78億4094万余円増加している。
環境衛生金融公庫は、貸付業務を国民金融公庫、中小企業金融公庫及び商工組合中央金庫に委託していたが、47年6月に中小企業金融公庫との間の業務委託契約を解除し、同公庫が取り扱っていた貸付金の残高246億1595万余円の管理を含めて、7月に市中金融機関との間に業務委託契約を締結した。貸付実行額を委託先別にみると、国民金融公庫749億6178万余円(89.4%)、市中金融機関85億7362万余円(10.2%、中小企業金融公庫の実行額18億2824万円を含む。)、商工組合中央金庫3億6435万円(0.4%)となっている。貸付実行額を資金用途別にみると、その主なものは、衛生設備及び近代化設備423億7416万円、店舗等379億7896万余円で、前年度に比べてそれぞれ70億1306万余円、6億5279万余円増加している。また、貸付実行額を業種別にみると、その主なものは、飲食店関係営業444億6152万余円、ホテル・旅館業100億1925万余円で、前年度に比べて飲食店関係営業で67億0444万余円増加し、ホテル・旅館業では13億9223万余円減少している。なお、47年4月に既往貸付け分を含めて基準利率を年8.2%から年8.0%に引き下げ、更に、同月以降の貸付け分については8月から年7.7%に引き下げている。
貸付実行額から回収額531億1071万余円を差し引いた貸付金の年間純増加額は307億8905万余円であり、年度末貸付金残高は27万余件1943億7406万余円となっている。このうち弁済期限を6箇月以上経過して延滞となっている貸付けの元金残高は11億8445万余円(うち1年以上延滞のものは8億5650万余円)で、前年度末の12億8499万余円に比べて1億0053万余円(1年以上延滞のものでは前年度末の9億1059万余円に比べて5408万余円)減少している。
47年度中の資金交付額は835億7825万余円で、この原資には、資金運用部資金からの借入金805億円及び回収金等30億7825万余円を充当している。
47年度において、利益は、貸付金利息145億5828万余円、一般会計より受入19億7927万余円等175億8002万余円、損失は、借入金利息115億5619万余円、業務委託費42億3755万余円、事務費2億2004万余円等滞貸償却引当金繰入れ前で167億1327万余円となり、差額8億6674万余円を全額滞貸償却引当金に繰り入れたため利益金を生じなかった。この繰入れ額は年度末貸付金残高の1,000分の4.45に相当し、これを加えた滞貸償却引当金25億1776万余円は年度末貸付金残高の100分の1.29となっている。
47年度の総収益率は8.90%で、貸付利率を引き下げたことにより前年度に比べて0.18%低下している。滞貸償却引当金繰入れ前の経費率は8.42%で、業務委託費率が低下したことなどにより前年度に比べて0.17%低下している。また、滞貸償却引当金繰入れ率は0.48%となり、前年度に比べて0.01%低下している。なお、一般会計からの受入れ額を除いた収益率は7.80%となり、上記の経費率を0.62%下回っている。