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  • 昭和47年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 政府関係機関その他の団体別の事項|
  • 第13 沖縄振興開発金融公庫

沖縄振興開発金融公庫


 沖縄振興開発金融公庫は、沖縄振興開発金融公庫法(昭和47年法律第31号)に基づいて、沖縄における産業の開発を促進するため、長期資金を供給して、一般の金融機関が行う金融を補完し又は奨励するとともに、沖縄の国民大衆、住宅を必要とする者、農林漁業者、中小企業者、病院その他の医療施設を開設する者、環境衛生関係の営業者等に対する資金で、一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通し、もって沖縄における経済の振興及び社会の開発に資することを目的として、昭和47年5月に設立された。  しかして、公庫は、その成立に際し、公庫法附則第4条の規定により、琉球開発金融公社及び大衆金融公庫の有する権利義務並びに琉球政府の産業開発資金融通特別会計ほか4特別会計に属する権利義務を承継し、その承継された権利義務にかかわる資産の価額の合計額から負債の価額の合計額を差し引いた金額に相当する215億5599万余円が政府から出資されたものとなっている。47年度末の資本金は、一般会計から新たに出資された30億円を加えて245億5599万余円になっている。

(事業概要について)

 47年度の貸付計画は、当初450億円であったが、その後の改定により530億円となった。これに対し、貸付決定額は322億8714万円となっている。
 貸付決定額を資金種類別にみると、その主なものは次のとおりである。

産業開発資金貸付 110億円
中小企業等資金貸付 40億9734万余円
住宅資金貸付 84億6993万円
農林漁業資金貸付 33億0842万余円
特別資金貸付 45億1654万円

 47年度の貸付実行額は262億8079万余円(承継時までに琉球開発金融公社等が貸し付け決定した72億2538万余円を含む。)で、これから回収額54億5143万余円を差し引いた貸付金の純増加額は208億2935万余円であり、年度末貸付金残高は606億0344万余円となっている。このうち弁済期限を6箇月以上経過した元金延滞額は8億8106万余円(うち1年以上延滞のもの7億7119万円)となっている。上記の元金延滞額のうち8億8061万余円は承継貸付けの分である。
 47年度中の資金交付額は承継貸付け分を含め239億9554万余円で、この原資には、一般会計からの出資金30億円、資金運用部資金からの借入金194億円、簡易生命保険及郵便年金の積立金からの借入金6億円及び回収金等9億9554万余円を充当している。

(損益について)

 47年度において、利益は、貸付金利息26億1653万余円等29億3610万余円、損失は、借入金利息12億4314万余円、事務費5億7037万余円、業務委託費2億7084万余円等滞貸償却引当金繰入れ前で22億9991万余円となり、差額6億3619万余円を全額滞貸償却引当金に繰り入れたため利益金を生じなかった。この繰入れ額は年度末貸付金残高の1,000分の10.49に相当し、これを加えた滞貸償却引当金11億5954万余円は年度末貸付金残高の100分の1.91となっている。
 47年度の総収益率は5.06%、滞貸償却引当金繰入れ前の経費率は3.85%であり、滞貸償却引当金繰入れ率は1.20%となっている。