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  • 昭和47年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 政府関係機関その他の団体別の事項|
  • 第16 日本住宅公団|
  • 意見を表示し又は処置を要求した事項

団地住宅の給排水等屋内衛生設備工事の予定価格の積算について処置を要求したもの


(1) 団地住宅の給排水等屋内衛生設備工事の予定価格の積算について処置を要求したもの

(昭和48年11月27日付け48検第306号日本住宅公団総裁あて)

 東京、名古屋両支所が昭和47事業年度に施行した小島町2丁目団地A・B棟衛生設備工事ほか42工事(工事費総額20億7728万円)について検査したところ、次のとおり、予定価格の積算が適切でないと認められる点が見受けられた。
 すなわち、上記の各工事では、屋内給排水用等に使用する炭素鋼鋼管(硬質塩化ビニルライニング鋼管を含む。)の配管工費の積算に当たって、日本住宅公団が定めた機械設備工事の積算基準の歩掛かり(1m当たり0.136人(口径3/4インチのもの)から2.564人(口径12インチのもの))をそのまま適用して配管1m当たりの工事単価を428円(口径3/4インチ)から10,280円(口径12インチ)総延長389,041m分で総額3億8986万余円と算定している。

 しかして、上記の歩掛かりは、配管工事が人力作業を主体として行われていた39年当時に定められて以来そのままとなっているものであり、本院が調査したところ、近年、作業の機械化や作業方法の合理化等により作業に必要な労務工数は著しく減少している状況で、これに伴う機械経費の増加額等を工数に換算して考慮しても、本件各工事の工事費積算に当たって適用した上記の歩掛かりは施工の実情に適合していないと認められた。本件各工事の施工に当たって上記の点を考慮して積算したとすれば、積算額を相当程度低減できたと認められる。

 その一例を東京支所が施行した小島町2丁目団地A・B棟衛生設備工事に採ってみると、この工事では、一般暗きょ内配管に最も多く使用されている給排水用の3/4インチもの、2インチもの及び3インチものについて歩掛かりを0.136人、0.314人及び0.469人として1m当たりの工事単価を544円、1,256円及び1,879円と算定しているが、調査の結果によると、歩掛かりは、機械器具損料等の経費や高層建築の場合の割増しを最大に見込んでもそれぞれ0.093人、0.266人及び0.416人程度となっており、これによれば工事単価はそれぞれ373円、1,067円及び1,669円程度となっていて、いずれも積算を相当に下回っている。
 このような事態を生じたのは、同公団が定めている積算基準が最近の施工形態の変化に適合して整備されていないことによると認められる。
 ついては、同公団においては、この種の配管工事を今後も引き続き多数施行するのであるから、施工の実態を十分調査検討して積算基準を整備し、予定価格積算の適正を期する要があると認められる。