(昭和48年11月27日付け480普第1662 号日本住宅公団総裁あて)
日本住宅公団が昭和47事業年度に横浜、厚木及び土浦の各地区で施行した港南台地区2号線外3路線舗装工事ほか14工事(工事費総額7億0643万円)について検査したところ、次のとおり、予定価格の積算が適切でないと認められる点が見受けられた。
すなわち、上記の各工事においては、アスファルトコンクリート舗装工事費の積算に当たって、市場価格調査結果の刊行物に記載されている東京地区におけるアスファルトコンクリートの価格等(1t当たり3,550円から4,300円)により、舗装工事費の複合単価を1m2
当たり334円から1,950円と算定し、総量26,639t分で総額122,132,948円と算定している。
しかし、本件各工事を施行した上記の各地区には、アスファルトコンクリートプラントが各所に所在していて、アスファルトコンクリートが一般に供給されており、その価格はいずれも上記の積算の基礎とした東京地区における価格を相当に下回っている状況であった。
したがって、本件各工事の施行に当たって、各地区ごとの市場価格を調査しこれによって積算したとすれば、積算額を相当程度低減できたと認められる。
ついては、同公団においては、今後も多数の地区でこの種の工事を引き続き多数施行することが見込まれるのであるから、アスファルトコンクリートの市場価格についての調査を適切に行い、予定価格積算の適正を期する要があると認められる。