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  • 昭和47年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 政府関係機関その他の団体別の事項|
  • 第20 日本鉄道建設公団|
  • 意見を表示し又は処置を要求した事項

しゅん功図の作成について処置を要求したもの


しゅん功図の作成について処置を要求したもの

(昭和48年11月22日付け48検第304号 日本鉄道建設公団総裁あて)

 札幌ほか5支社(注) が昭和47年度中に随意契約により第一工研株式会社ほか15会社に1億9584万余円で請け負わせて実施したしゅん功図(日本国有鉄道(以下「国鉄」という。)が日本鉄道建設公団から借り受けている財産の管理に関する協定等に定められている国鉄への引継ぎ図面)等の作成作業(しゅん功図作成費積算額合計9230万余円)について検査したところ、次のとおり、近年普遍化している図面の経済的な複写方法を採用しなかったため多額の経費を要していると認められる事例が見受けられた。
 すなわち、しゅん功図は、国鉄において固定財産の実態を記録して、財産整理の的確を図るとともに、保守に必要な技術管理のための資料とするため必要とされているものである。そして、その作成に当たっては、日本鉄道建設公団が準拠している国鉄の土木建築関係統計報告等基準規程第5条第1項の規定により、保存に適する製図用透明フィルム又は謄写用紙に手書きで写図して原図を作成し、これを感光紙に複写することとしている。

 しかし、近年、マイクロ写真による写図の手法が普遍化しており、この手法によれば、設計図面のままで差し支えないもの及び修正の少ないもの(写図作業費積算額合計約5390万円)については、設計原図に標題等を補足、修正して、そのままマイクロフィルムに撮影することによって、所期の目的を達することができ、この方法によったとすれば相当程度経費を節減できたと認められる。なお、この方法は上記の規程同条第2項にもその使用を認めているところである。
 ついては、同公団においては、今後も、新線建設の工事に伴いしゅん功図の作成を多数実施することが見込まれるので、その作成方法等について検討のうえ、作業の簡素化を図り、もって経費の節減を図る要があると認められる。

(注)  札幌、盛岡、東京、名古屋、大阪、下関各支社