会計名及び科目 | 一般会計(組織)農林本省(項)農用地開発事業費 |
部局等の名称 | 東北農政局 |
工事名 | 能代開拓建設事業第1号導水路隧道第5工区工事(その5) |
工事の概要 | 開墾地等にかんがい用水を送水するための導水路を新設するため、ずい道掘削159m、覆工コンクリート打設177m及び開きょ37m等を施工する工事 |
工事費 | 43,400,000円、ほかに支給電力844,534円 |
請負人 | 株式会社多田組 |
契約 | 昭和48年4月随意契約 |
しゅん功検査 | 昭和48年11月 |
支払 | 昭和48年7月、12月 |
この工事は、監督及び検査が適切でなかったため、ずい道延長57m(工事費(支給電力料を含む。)相当額11,580,000円)の施工が設計と相違し、覆工コンクリートの強度が設計に比べて著しく低くなっていて工事の目的を達していないと認められる。
(説明)
この工事の設計図面及び仕様書によると、ずい道は、内空断面の形状を直径2.7m の標準馬てい型、覆工コンクリートの巻き立てを厚さ30cm(以下「設計巻厚」という。)で施工することとし、施工に当たっては、設計中心線を確認しながら掘進し、鋼製H型支保工(以下「支保工」という。)をその中心線が設計巻厚線に合致するように建て込んで外側に土留め矢板を施工し、余掘りを生じた場合には、良質のずり又はコンクリートを充てんしなければならないことになっていた。
しかるに、ずい道延長177mのうち中央部の延長57mの区間は、設計中心線からずれて掘削したまま設計中心線を中心として覆工型わくを組み立ててコンクリートを打設したなどのため、覆工コンクリートの頂部、アーチ部及び側壁部の計77箇所について破壊又はせん孔して検測した結果は、覆工コンクリートの厚さが設計巻厚より不足している箇所が50箇所(このうちには支保工表面までの厚さ(設計では25cm、施工上許容されている誤差を見込んでも20cm)が10cm以下の箇所が20箇所もある。)あり、また、覆工コンクリートと地山との間に10cm以上の空げきのある箇所が6箇所ある状況であるなど施工が著しく粗雑となっている。このため、上記の区間のずい道(工事費(支給
(参考図)
電力料を含む。)相当額11,580,000円)は覆工コンクリートの強度が設計に比べて著しく低くなっていて、工事の目的を達していない。