昭和48年度において、貸付業務では、計画は、7442億6900万円であり、これに対し、貸付契約額は7439億6499万円で、前年度に比べて2144億0733万余円増加している。
貸付契約額を貸付けの種別ごとにみると、次のとおりである。
一般住宅資金貸付 | 5873億8494万円 | |
産業労働者住宅資金貸付 | 22億4013万円 | |
市街地再開発住宅等資金貸付 | 480億3682万円 | |
関連公共施設等資金貸付 | 43億8010万円 | |
宅地造成等資金貸付 | 1019億2300万円 |
このうち、前年度に比べて増加の著しいものは、一般住宅資金貸付(2036億3461万余円増)及び宅地造成等資金貸付(175億5660万円増)である。
48年度の貸付実行額は、前年度までの貸付契約に基づいて48年度に貸し付け実行した分を含め6141億9138万余円で、前年度に比べて1620億5805万余円増加している。なお、48年度中に貸付利率を改定しているが、その主なものをみると、一般住宅資金貸付のうち個人住宅資金貸付等については、48年4月、年5.5%を年5.2%に引き下げ、また、宅地造成等資金貸付のうち地方公共団体等に対する宅地造成資金貸付については、4月、年7.5%を年7.0%に引き下げたのち8月以降2回にわたって合計で0.55%引き上げ、11月から年7.55%にしている。
貸付実行額から回収額等1426億1839万余円を差し引いた貸付金の年間純増加額は4715億7299万余円であり、年度末貸付金残高は194万余件2兆1777億3236万余円となっている。このうち弁済期限を6箇月以上経過した元金延滞額は5億1435万余円(うち1年以上延滞のものは5億0697万余円)で、前年度末に比べて5億5717万余円(1年以上延滞のものでは3億9549万余円)減少している。
48年度中の資金交付額は6141億9138万余円で、この原資には、資金運用部資金からの借入金5577億円、簡易生命保険及郵便年金の積立金からの借入金265億円、宅地債券の発行による収入金19億4607万余円及び回収金等280億4530万余円を充当している。
また、住宅融資保険業務では、金融機関との間に保険関係が成立する保険金額を810億円と予定した。これに対し、保険関係が成立した保険金額は524億5374万余円となっている。
48年度において、貸付業務では、利益は、貸付金利息1156億5634万余円、一般会計より受入182億9800万円等1399億7547万余円、損失は、借入金利息1171億8131万余円、業務委託費106億2890万余円、事務費40億1145万余円等滞貸償却引当金繰入れ前で1394億6093万余円となり、差額5億1453万余円を全額滞貸償却引当金に繰り入れたため利益金を生じなかった。この繰入れ額は年度末貸付金残高の1,000分の0.23に相当し、これを加えた滞貸償却引当金128億9156万余円は年度末貸付金残高の1,000分の5.91となり、累積限度額の16.44%になっている。
また、住宅融資保険業務では、利益は8億9338万余円、損失は4億0081万余円で、差し引き4億9257万余円の利益金を生じたので、これを積立金として積み立てた。
48年度の総収益率は6.85%で、前年度に比べて0.05%低下している。滞貸償却引当金繰入れ前の経費率は6.80%で、前年度に比べて0.01%上昇している。また、滞貸償却引当金繰入れ前の利益率は0.05%となり、前年度に比べて0.07%低下している。なお、一般会計からの受入れ額を除いた収益率は5.89%となり、上記の経費率を0.90%下回っている。