昭和48年度において、保険事業では、北海道信用保証協会ほか51協会との間に保険関係が成立する保険価額を当初1兆9720億円と予定していたが、その後の改定により2兆0112億4600万円とした。これに対し、保険関係が成立した保険価額は1兆9023億4493万余円で、前年度に比べて4050億9961万余円増加している。48年度中に公庫が受け付けた保険価額の増加額は1兆8149億7451万余円、完済等による減少額は1兆2562億5905万余円で、差し引き年間純増加額は5587億1545万余円であり、年度末保険価額残高は2兆9916億4892万余円となっている。なお、一般会計からの出資金50億円を保険準備基金に受け入れている。また、48年4月、信用保証協会の保証料の引下げに資するため各種保険の保険料率を引き下げ、7月、中小企業者の資金需要の大口化等に対処するため普通保険及び特別小口保険の付保限度額を引き上げるなどしている。
融資事業では、信用保証協会に対する貸付額を当初609億円と予定していたが、その後の改定により602億5000万円とした。これに対し、貸付実行額は長期資金538億7400万円及び短期資金6億円計544億7400万円で、前年度に比べて1億7500万円減少している。なお、48年4月、長期資金の貸付利率を改定し、貸付金残高が20億円を超える部分については、従前は一律に年4.0%であったが、うち40億円を超える部分については年4.5%に引き上げている。
貸付実行額から回収額445億2100万円を差し引いた貸付金の年間純増加額は99億5300万円であり、年度末貸付金残高は903億4100万円となっている。
48年度中の資金交付額は544億7400万円で、この原資には、一般会計からの出資金100億円及び貸付回収金444億7400万円を充当している。
48年度において、保険事業では、利益は、回収金129億3304万余円、責任準備金れい入114億4857万余円、保険料100億5191万余円等372億5779万余円、損失は、保険金178億5418万余円、支払備金繰入24億9121万余円、事務費10億5697万余円等責任準備金繰入れ前で214億3738万余円となり、158億2040万余円の差額が生じるが、186億5008万余円を責任準備金に繰り入れたため28億2967万余円の損失金を生じている。この繰入れ額は、年度末保険価額残高(保険金支払いの請求を受けているもの及び保険事故発生のものを除く。)にかかわる保険金額2兆2038億6842万余円の1,000分の8.46 に相当し、繰入れ限度額の42.31%になっている。
融資事業では、利益は、貸付金利息30億5011万余円等30億5161万余円、損失は、事務費2億1459万余円等2億2193万余円で、28億2967万余円の利益金を生じたが、これをもって保険事業の損失金を補てんしている。
この結果、総括損益においては、利益損失同額となり、利益金を生じなかった。