昭和48年度の貸付計画は1080億円であり、これに対し、貸付実行額は1079億4506万余円で、前年度に比べて240億4529万余円増加している。
環境衛生金融公庫は、貸付業務を国民金融公庫、商工組合中央金庫及び市中金融機関に委託していて、貸付実行額を委託先別にみると、国民金融公庫912億2323万余円(84.5%)、商工組合中央金庫11億0074万円(1.0%)、市中金融機関156億2108万余円(14.5%)となっている。貸付実行額を資金用途別にみると、その主なものは、衛生設備及び近代化設備522億1000万余円、店舗等472億9247万余円で、前年度に比べてそれぞれ98億3584万余円、93億1351万余円増加している。また、貸付実行額を業種別にみると、その主なものは、飲食店関係営業574億2646万余円、ホテル・旅館業142億1046万余円で、前年度に比べてそれぞれ129億6494万円、41億9120万余円増加している。なお、48年8月以降基準利率を年7.7%から3回にわたって合計で1.2%引き上げ、49年2月から年8.9%にしている。
貸付実行額から回収額等610億7564万余円を差し引いた貸付金の年間純増加額は468億6941万余円であり、年度末貸付金残高は29万余件2412億4347万余円となっている。このうち弁済期限を6箇月以上経過して延滞となっている貸付けの元金残高は10億1755万余円(うち1年以上延滞のものは7億6403万余円)で、前年度末に比べて1億6690万余円(1年以上延滞のものでは9247万余円)減少している。
48年度中の資金交付額は1077億5300万余円で、この原資には、資金運用部資金からの借入金999億円及び回収金等78億5300万余円を充当している。
(損益について)
48年度において、利益は、貸付金利息175億3004万余円、一般会計より受入18億7805万余円等209億3818万余円、損失は、借入金利息143億2698万余円、業務委託費49億3621万余円、事務費2億9157万余円等滞貸償却引当金繰入れ前で203億1217万余円となり、差額6億2600万余円を全額滞貸償却引当金に繰り入れたため利益金を生じなかった。この繰入れ額は年度末貸付金残高(資金未交付額を除く。以下同じ。)の1,000分の2.60に相当し、これを加えた滞貸償却引当金31億3583万余円は年度末貸付金残高の1,000分の13.07となり、累積限度額の26.95%になっている。
48年度の総収益率は8.55%で、一般会計からの受入れ額が減少したことなどにより前年度に比べて0.34%低下している。滞貸償却引当金繰入れ前の経費率は8.27%で、前年度に比べて0.14%低下しており、これは、前年度に実施した委託手数料率の引下げが影響したことなどによるものである。また、滞貸償却引当金繰入れ率は0.27%となり、前年度に比べて0.20%低下している。なお、一般会計からの受入れ額を除いた収益率は7.72%となり、上記の経費率を0.55%下回っている。