科目 | (款)建設費 (項)新線建設費 |
部局等の名称 | 大阪支社 |
工事名 | 阿佐線牟岐・海部間防護設備新設その他工事 |
工事の概要 | 阿佐線建設工事の一環として、牟岐・海部間に落石止めさく、橋側歩道等を新設する工事 |
工事費 | 68,414,154円 |
請負人 | 大鉄工業株式会社 |
契約 | 昭和48年5月 指名競争契約 |
しゅん功検査 | 昭和49年3月 |
支払 | 昭和48年11月、49年4月 |
この工事は、監督及び検査が適切でなかったため、落石止めさく(工事費相当額22,015,000円)の基礎コンクリートの施工が設計と相違し落石止めさくとしての安定度及び耐久性が設計に比べて著しく低くなっていて、工事の目的を達していないと認められる。
(説明)
この工事の設計図面によると、トンネル出入口付近など48箇所に設置する落石止めさく延長1,258mは、2.75mのH形鋼の柱486本を3m間隔、深さ65cmで建て込み、両端の柱と柱との間に径18mmの鋼撚(より)線6本を33cm間隔で緊張し、これに菱形金網を固定することになっていた。そして、柱については、金網及びたい積した岩石の荷重による鋼撚(より)線の引張力に対する安定度及び耐久性を確保するため、基礎として、柱のうち端末及び屈曲部の112本については長さ上部215cm、下部230cm、幅上部30cm、下部60cm、深さ80cmのコンクリートを、中間の柱374本については長さ幅とも上部30cm、下部60cm、深さ80cmのコンクリートをそれぞれ施工することになっていた。
しかるに、端末及び屈曲部の柱の基礎は、61箇所については深さ23cmから60cm程度、その他の44箇所についても平均65.4cm程度しか施工されておらず、また、中間の柱の基礎は232箇所については深さ35cmから60cm程度、その他の131箇所についても平均65.6cm程度しか施工されていない状況であった。
上記のように施工が不良なため、本件落石止めさくは全箇所にわたってその安定度及び耐久性が設計に比べて著しく低くなっていて工事の目的を達していないと認められる。