ページトップ
  • 昭和49年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 政府関係機関その他の団体別の事項

公営企業金融公庫


第9 公営企業金融公庫

(事業概要について)

 昭和49年度の貸付計画は、当初2243億8000万円であったが、その後の改定により2336億4600万円となった。これに対し、貸付実行額は前年度の計画に基づいて49年度に貸し付け実行した分を含め2336億4480万円で、前年度に比べて381億1340万円増加している。
 貸付実行額のうち地方債許可にかかわるものは2161億3360万円であり、地方道路公社及び土地開発公社に対するものは175億1120万円となっている。これを事業別にみると、その主なものは次のとおりである。

(地方債許可にかかわるもの)

水道事業 887億4140万円
地域開発のためにする土地造成事業 464億4000万円
下水道事業 223億4060万円
工業用水道事業 144億6540万円

(地方道路公社)

有料道路事業 121億1150万円

 このうち、前年度に比べて増加の著しいものは、地域開発のためにする土地造成事業(180億8300万円増)である。
 なお、公営企業債券の発行条件を改定して利率を引き上げるなどしたことに伴い、49年度の地方債許可にかかわるものから貸付基準利率を従前の年8.05%から年8.9%に引き上げている。また、水道、工業用水道、交通、電気、ガス、市場及び下水道の各事業の貸付利率については、一般会計から受け入れた補給金により0.3%、公営企業健全化基金の運用益の充当により0.4%の利下げをし、基準利率より0.7%低い年8.2%にしている。なお、地方道路公社及び土地開発公社に対する貸付けについては49年4月に従前の年8.05%から年8.5%に引き上げ、更に、10月から年8.9%に引き上げている。
 貸付実行額から回収額508億0832万余円を差し引いた貸付金の年間純増加額は1828億3647万余円であり、年度末貸付金残高は1兆0130億1007万余円となっている。
 49年度中の資金交付額は2336億4480万円で、この原資には、産業投資特別会計からの出資金5億円、公営企業債券の発行による収入金1927億2005万円及び回収金等404億2475万円を充当している。

(損益について)

 49年度において、利益は、貸付金利息655億9783万余円、一般会計より受入10億9800万円等688億6372万余円、損失は、債券利息631億6902万余円、債券発行差金償却費10億7508万余円、債券発行諸費9億0003万余円、事務費4億6500万余円等688億6372万余円で、利益損失同額となり、利益金を生じなかった。
 49年度の総収益率及び総経費率は7.27%で、前年度に比べて0.22%上昇している。総収益率の上昇は前年度に実施した貸付利率の引上げが影響したことなどによるものであり、総経費率の上昇は前年度に実施した債券利率の引上げが影響したことなどによるものである。