昭和49事業年度における鉄道施設の建設等は、国鉄新線の鉄道施設として久慈線ほか65線の工事線のうち49線の建設工事及び四国新幹線の調査等を実施し、地方鉄道の鉄道施設として西武池袋線ほか8線の建設工事を実施しており、その決算額は2318億4883万余円で前事業年度に比べて474億1460万余円増加している。このうち49事業年度中に新たに日本国有鉄道(以下「国鉄」という。)に貸し付けた鉄道施設は湖西線の全区間(有償)で、年度末現在貸付中の鉄道施設は狩勝線ほか31線、総延長697.1kmとなっている。また、49事業年度に初めて地方鉄道業者に譲渡した鉄道施設は多摩線の一部区間及び相模原線の全区間で、その延長は17.7kmとなっている。
前記の建設工事を施行している49線のうち28線は地方開発線及び地方幹線であるが、これらはいずれも全線が完成するまでに長期を要することが見込まれているもので、施設の既済部分については、全線が完成して国鉄に引き継がれるまで長期にわたって同公団が保有することを余儀なくされている。しかして、この既済部分の現状をみると、しゅん功後年月の経過に伴って構造物に破損、崩落、沈下等が生じているものが多数見受けられる状況である。