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  • 昭和50年度|
  • 第2章 国の会計|
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租税の徴収に当たり徴収額に過不足かあったもの


(1) 租税の徴収に当たり徴収額に過不足があったもの

会計名及び科目 一般会計 国税収納金整理資金 (款)歳入組入資金受入 (項)各税受入金
受入金
部局等の名称 麹町ほか184税務署
納税義務者又は源泉徴収義務者 613人

 上記の613人から租税を徴収するに当たって、調査が十分でなかったなどのため、徴収額が不足していたものが564事項1,042,024,174円、徴収額が過大になっていたものが49事項113,033,689円あった。これらについては、本院の注意により、すべて徴収決定等の処置が執られた。
これを国税局ごとに集計して税目別に掲げると、別表 のとおりである。

(説明)

 これらの徴収過不足の事態は、納税者が申告書等において所得金額、税額の計算等を誤っていたのに当局の調査が十分でなかったこと、当局が法令の適用、税額の計算等を誤ったこと、課税資料の収集、活用を適確にしていなかったことによって生じたもので、その主な態様を示すと次のとおりである。

1 源泉所得税に関するもの

(1) 配当(63事項)、給与等(45事項)

 調査が十分でなかったなどのため、源泉徴収をして納付すべき期限が到来していたのに納税の告知をしていなかったり、税額の計算を誤ったりしていたものである。

2 申告所得税に関するもの

(1) 譲渡所得(70事項)

 居住用財産の譲渡所得の特別控除等の課税の特例の適用を誤ったり、部内の連絡が適切でなかったりなどしたため、土地、建物等の譲渡に対する課税処理を誤っていたものである。

(2) 配当所得(60事項)、不動産所得(26事項)、雑所得(20事項)課税資料の収集、活用が適確でなかったなどのため、受取配当、不動産賃貸料、貸付金の利子等に対する課税処理を誤っていたものである。

3 法人税に関するもの

(1) 同族会社の留保金額(32事項)

 同族会社の留保金額のうち所定の金額を超える部分の金額に対しては、特別税率による法人税を課税することになっているが、この金額の計算を誤ったり、課税をしていなかったりしていたものである。

(2) 減価償却資産の償却(25事項)

 減価償却資産の償却額は、所定の限度額の範囲内で損金に算入することができ、また、特定の減価償却資産については、割増償却等の特例が認められているが、新築貸家住宅の割増償却、中小企業者等の機械の特別償却等の特例計算を誤るなどして、償却額を過大に計算していたものである。

(3) 土地の譲渡等に係る譲渡利益金額(23事項)

 特定の土地の譲渡等がある場合には、所定の計算による譲渡利益金額に対して特別税率による法人税を課税することになっているが、この金額の計算を誤ったり、課税をしていなかったりしていたものである。

(4) 特定の資産の買い換え(21事項)

 特定の資産を譲渡して買い換えた資産の帳簿価額を減額した場合、その減額した額は所定の限度額の範囲内で損金に算入することができることになっているが、この限度額を過大に計算していたものである。

(別表)

租税の徴収に当たり徴収額に過不足かあったものの図1