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  • 昭和50年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 所管別の事項|
  • 第4 厚生省|
  • 特に掲記を要すると認めた事項

厚生保険特別会計の損益について


 厚生保険特別会計の損益について

 厚生保険特別会計は、健康、日雇健康、年金、児童手当及び業務の各勘定に区分して経理しているが、昭和50年度の損益についてみると、損失を生じているのは、健康勘定及び日雇健康勘定であり、これを勘定別にみると次のとおりである。

1 健康勘定

 健康勘定では、同年度に126億1263万余円の利益を計上することを予定していたが、実績では、保険料1兆2931億9168万余円、一般会計からの受入1919億6334万余円等の利益1兆5109億9292万余円に対し、保険給付費1兆4980億7737万余円、支払利子311億7713万余円等の損失1兆5499億0043万余円で、差引き389億0750万余円の損失を生じている。これは、主として、被保険者数が減少したこと、平均標準報酬月額の伸びが少なかったことなどにより、保険料収入が予定を782億3420万余円下回ったことによるものである。

 同勘定は、38年度以降引き続いて損失を生じており、この間、保険料率の引上げ、被保険者の標準報酬月額上限の引上げ等保険料増収の処置を執り、また、48年度以降一般会計からの繰入額を増額するなど財政基盤の強化を図っているが、50年度末の累積損失は、なお3535億4432万余円になっている。

2 日雇健康勘定

 日雇健康勘定では、同年度に221億8607万余円の損失を計上することを予定していたが、実績では、保険料218億3125万余円、一般会計からの受入215億2341万余円等の利益435億8545万余円に対し、保険給付費555億0792万余円、支払利子180億0657万余円等の損失754億5194万余円で、差引き318億6649万余円の損失を生じている。これは、被保険者数が減少したことにより保険料収入が予定を85億1986万余円下回り、また、保険給付の内容が改善されたことにより保険給付費が予定を22億8468万余円上回ったことによるものである。

 同勘定は、35年度以降引き続いて損失を生じており、50年度末の累積損失は2506億1169万余円になっている。