郵政事業特別会計の昭和50年度の損益についてみると、郵便料金が51年1月に改定されたことが主な原因となって郵便業務収入が前年度に比べて701億8579万余円増加したこと、及び郵便貯金特別会計、簡易生命保険及郵便年金特別会計等からの受入額が増加したため受託業務収入が前年度に比べて725億8084万余円増加したことなどにより、総収益が前年度に比べて1491億9237万余円増加(14.9%、前年度20.5%)して1兆1492億9358万余円となったにもかかわらず、給与改定等により前年度に比べて郵便費で635億9687万余円、総係費で334億1152万余円、為替貯金費で327億3461万余円それぞれ増加したことなどにより、総損失が前年度に比べて1530億4998万余円増加(13.8%、前年度31.8%)して1兆2595億3388万余円となり、差引き1102億4030万余円の欠損金を生じている。
以上のように本特別会計の損益は総収支率でみると前年度の110.6%に対して109.5%とわずかながら好転の兆しを見せているものの、欠損金が前年度に比べて38億5761万余円増加し、その50年度末の累積額は1800億7679万余円となった。
しかして、本特別会計の業務は人手に依存する作業分野が多いため、多額の経費を投入して機械化による作業の効率化を進めてはいるものの、業務費のうち人件費の占める割合は81.2%(前年度82.6%)となっており、今後も業務費の増加が見込まれる。
このような状況からみて、郵便料金の改定により51年度の事業収支は好転すると予想されるものの、欠損金の累積額の解消は依然として困難な状況にあると認められる。