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  • 昭和50年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 所管別の事項|
  • 第10 建設省|
  • 本院の注意により当局において改善の処置を講じた事項

下水道工事における管推進工費の積算について


(2) 下水道工事における管推進工費の積算について

 建設省の補助を受けて大宮市ほか49事業主体が昭和50年度中に施行している大宮市西本郷排水区第3分区(公共第10号)下水道築造工事ほか108工事(工事費総額53億5297万余円、国庫補助金31億8507万余円)について検査したところ、次のとおり、管推進工費の積算が適切でないと認められる点が見受けられた。

 すなわち、上記の各工事はいずれも推進工法により下水管きょを布設する工事であるが、工事費積算の内訳についてみると、推進工法による管推進工費(積算額15億2421万余円)については、地方公共団体が施行するこの種工事に適用するものとして建設省が45、46年当時の作業の実態を調査するなどして定めた積算基準に示されている各工種(注) の歩掛かりを適用して算定していた。

 しかして、上記の各工種の歩掛かりは、下水管の各管径ごとの1日当たり推進延長を基礎にして定められたものであるが、本院が前記の各工事について施工の実態を調査したところ、1日当たりの推進延長の実績は上記の歩掛かりの基礎となっている推進延長を5割程度上回っていた。このように推進延長が増加しているのは、近年、薬液注入工法等による地盤改良が急速に進歩したこと、施工設備が改善されてきたことなどに伴い推進工の作業能率が著しく向上したことによると認められた。したがって、前記の各工事についてこのような施工の実態を考慮して積算したとすれば、積算額を約4億2000万円(国庫補助金相当額2億5000万円)程度低減できたと認められた。

 上記について当局の見解をただしたところ、建設省では、51年10月に積算基準を改めて歩掛かりを施工の実態に適合したものとし、11月以降各地方公共団体が施行する工事についてこれを適用することとする処置を講じた。

(注)  各工種管すえ付け、管緊結、管内掘削、推進、坑内ずり出し、坑外ずり出し、滑材注入の各工種

(注)各工種管すえ付け、管緊結、管内掘削、推進、坑内ずり出し、坑外ずり出し、滑材注入の各工種