昭和５０年度決算検査報告
昭和５０年度のたばこの製造数量は２８７５億１６２２万余本、輸入数量は３７億１３１４万余本であり、その販売数量は２９４８億２２０５万余本、販売金額は１兆３１１６億３１５１万余円となっている。また、同年度における塩の受入れ数量は、国内産塩１０６万余ｔ、輸入塩６３３万余ｔ（うちソーダ工業用自己輸入塩５９３万余ｔ）計７４０万余ｔであり、その販売数量は７５９万余ｔ、販売金額は４５５億３２０９万余円となっている。この販売数量及び販売金額を前年度に比べると、販売数量で、たばこ６０億５４４０万余本の増加、塩５５万余ｔの減少、販売金額で、たばこ１５０８億８８２５万余円、塩２億９８２１万余円の増加となっている。５０年度においては、同年１２月に製造たばこの定価改定が行われた。このため、販売数量は前年度に比べて２．０％増加したにとどまったが販売金額は１２．９％増加している。５０年度において、新製品として「エプソン」、「ビッグホーン」及び「アルカディア」、クロス・ライセンス契約により「アスター」が製造、発売された。
５０年度に収納した国内産葉たばこは１６万余ｔ２１４６億４８８７万余円である。これを前年度に比べると、１万余ｔ４４３億１３７７万余円の増加となっている。
５０年度の損益は、営業損益において利益７７２６億８４１１万余円、営業外損益において利益２８億６６９２万余円で、合計７７５５億５１０３万余円の当期総利益を生じ、これから都道府県及び市町村に納付したたばこ消費税３７３８億６０２２万余円を差し引いた４０１６億９０８１万余円が純利益になっている。この純利益を前年度に比べると４５６億８２３８万余円の増加となっている。
５０年度においては、たばこ事業の当期総利益は７９３４億５２７３万余円で、前年度に比べて７１１億５５６２万余円増加しているが、当期総利益の総売上高に対する比率は前年度を１．７％下回る６０．４％となっている。これは、主として製造たばこの定価改定があったことにより売上高が１５０５億５５５６万余円（１２．９％）増加したが、他方、原料費等が増加したことにより売上総原価が７９５億９７７１万余円（１８．０％）増加したことなどによるものである。また、塩事業の純損失は１７９億０１６９万余円で、前年度に比べて５９億４９１１万余円増加している。これは、塩の収納価格の引上げにより売上原価が増加したことなどによるものである。
専売納付金として国庫に納付した額は、３３７９億４９５０万余円で、前年度に比べて４５億５８２３万余円減少、予定額に比べて３２億９１６９万余円増加しており、この納付額は一般会計の５０年度収納済歳入額の１．５％となっている。
また、この納付額に上記のたばこ消費税の額を加えると、国及び地方公共団体に納付した額は７１１８億０９７３万余円になり、前年度に比べて１４９億６５８８万余円増加している。