昭和50年度において、保険事業では、北海道信用保証協会ほか51協会との間に保険関係が成立する保険価額を当初3兆8440億円と予定していたが、その後の改定により3兆8998億4700万円とした。これに対し、保険関係が成立した保険価額は3兆5056億3392万余円で、前年度に比べて3347億8097万余円増加している。50年度中に公庫が受け付けた保険価額の増加額は3兆5132億3305万余円、完済等による減少額は2兆2129億9391万余円で、差引き年間純増加額は1兆3002億3913万余円であり、年度末保険価額残高は5兆6874億5411万余円となっている。なお、一般会計からの出資金50億円を保険準備基金に受け入れている。また、50年4月に信用保証協会の保証料の引下げに資するため普通保険、公害防止保険及び近代化保険の保険料率を引き下げ、12月に中小企業者の資金調達を円滑にするため無担保保険及び特別小口保険の付保限度額を引き上げている。
融資事業では、信用保証協会に対する貸付額を当初902億円と予定していたが、その後の改定により892億5000万円とした。これに対し、貸付実行額は長期資金868億8600万円及び短期資金5000万円計869億3600万円で、前年度に比べて137億1300万円増加している。
貸付実行額から回収額688億7800万円を差し引いた貸付金の年間純増加額は180億5800万円であり、年度末貸付金残高は1229億0700万円となっている。
50年度中の資金交付額は869億3600万円で、この原資には、一般会計からの出資金180億円及び貸付回収金等689億3600万円を充当している。
50年度において、保険事業では、利益は、保険料172億7190万余円、回収金150億0077万余円、責任準備金れい入223億3160万余円等611億9954万余円、損失は、保険金408億6362万余円、支払備金繰入62億5666万余円、事務費15億3318万余円等責任準備金繰入れ前で486億8678万余円となり、125億1276万余円の差額が生じるが、161億8162万余円を責任準備金に繰り入れたため36億6885万余円の損失金を生じている。この繰入れ額は、年度末保険価額残高(保険金支払の請求を受けているもの及び保険事故発生のものを除く。)にかかわる保険金額4兆2208億8025万余円の1,000分の3.83に相当し、繰入限度額の19.16%になっている。
融資事業では、利益は、貸付金利息40億5337万余円等40億5544万余円、損失は、事務費3億7829万余円等3億8658万余円で、36億6885万余円の利益金を生じたが、これをもって保険事業の損失金を補てんしている。
この結果、総括損益においては、利益損失同額となり、利益金を生じなかった。