昭和50年度の貸付計画は、前年度からの繰延べ額45億円を加え645億円であり、これに対し、貸付実行額は645億円で、前年度に比べて98億1582万円増加している。これを施設の種類別にみると、病院292億5820万円、一般診療所288億5180万円、歯科診療所等63億9000万円となっている。また、これを資金の種類別にみると、新築資金233億0360万円、増改築資金346億4600万円、機械購入資金61億8770万円、長期運転資金3億6270万円となっている。なお、50年度において貸付利率の改定を行っており、このうち主なものをみると、病院、診療所等の新築資金及び増改築資金(病床等が不足している地域にかかわるもの)について、50年12月に従前の年8.0%から年7.5%に引き下げている。
貸付実行額から回収額220億5682万余円を差し引いた貸付金の年間純増加額は424億4317万余円であり、年度末貸付金残高は3200億2817万余円(うち直接貸付けは752億4692万余円)となっている。
50年度中の資金交付額は634億9980万円で、この原資には、資金運用部資金からの借入金558億円及び回収金等76億9980万円を充当している。
50年度において、利益は、貸付金利息208億2770万余円、一般会計より受入11億8891万余円、滞貸償却引当金れい入13億7309万余円等242億2081万余円、損失は、借入金利息188億8967万余円、業務委託費23億8387万余円、事務費8億8964万余円等滞貸償却引当金繰入れ前で234億1513万余円となり、差額8億0567万余円の全額を滞貸償却引当金に繰り入れたため利益金を生じなかった。なお、滞貸償却引当金については、従来、滞貸償却引当金に追加する額を損失に計上することとしていたが、50年度においては、前年度末の滞貸償却引当金の残高を利益にれい入するとともに、滞貸償却引当金への繰入れ額は年度末貸付金残高(資金未交付額を除く。以下同じ。)の1,000分の18相当額以内の金額を損失に計上することとなった。この繰入れ額8億0567万余円は年度末貸付金残高の1,000分の2.61に相当し、繰入限度額の14.51%となっている。
50年度の総収益率は7.27%で、前年度に比べて0.04%上昇している。滞貸償却引当金繰入れ前の経費率は7.46%で、前年度に比べて0.28%上昇しており、これは、前年度に行われた借入利率の引上げが影響したことなどによるものである。なお、総収益率は滞貸償却引当金繰入れ前の経費率を0.19%下回っており、一般会計からの受入額を除いた収益率6.85%は、上記の経費率を0.61%下回っている。