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  • 昭和51年度|
  • 第1章 総論|
  • 第1節 歳入歳出決算その他の概要

政府関係機関その他の団体


第6 政府関係機関その他の団体

1 概況

 会計検査院は、国の会計のほか、会計検査院法その他の法律の規定によって政府関係機関等の会計を検査した。

 その内訳は、政府関係機関の会計15、国が資本金の2分の1以上を出資している法人の会計89(清算中のもの6を含む。)、法律により特に会計検査院の検査に付するものと定められた会計1、国が資本金の一部を出資しているものの会計3、国が資本金を出資したものが更に出資しているものの会計8(以上の明細は、次表に掲げるとおりである。)のほか、国が補助金その他の財政援助を与えた都道府県、市町村、各種組合等の会計である。

区分

団体名

政府関係機関

(15)

日本専売公社 日本国有鉄道 日本電信電話公社 国民金融公庫
住宅金融公庫 農林漁業金融公庫 中小企業金融公庫 北海道東北開発公庫
公営企業金融公庫 中小企業信用保険公庫 医療金融公庫 環境衛生金融公庫
沖縄振興開発金融公庫 日本開発銀行 日本輸出入銀行
国が資本金の2分の1以上を出資しているもの

(89)


(公団)
日本住宅公団 日本道路公団 森林開発公団 船舶整備公団
首都高速道路公団 水資源開発公団 阪神高速道路公団 新東京国際空港公団
石油開発公団 京浜外貿埠頭公団 阪神外貿埠頭公団 本州四国連絡橋公団
日本鉄道建設公団 農用地開発公団 地域振興整備公団 宅地開発公団
(事業団)
労働福祉事業団 石炭鉱業合理化事業団 新技術開発事業団 雇用促進事業団
畜産振興事業団 簡易保険郵便年金福祉事業団 金属鉱業事業団 石炭鉱害事業団
日本原子力船開発事業団 八郎潟新農村建設事業団 小規模企業共済事業団 日本蚕糸事業団
中小企業振興事業団 動力炉・核燃料開発事業団 公害防止事業団 宇宙開発事業団
日本下水道事業団 国際協力事業団 年金福祉事業団
(その他)
日本銀行 士別軌道株式会社 商工組合中央金庫 日本育英会
農業共済基金 電源開発株式会社 社会福祉事業振興会 日本中央競馬会
奄美群島振興開発基金 東北開発株式会社 日本原子力研究所 日本科学技術情報センター
国立競技場 日本貿易振興会 日本労働協会 理化学研究所
日本航空機製造株式会社 アジア経済研究所 海外経済協力基金 国際観光振興会
農業機械化研究所 日本消防検定協会 国立教育会館 日本電気計器検定所
オリンピック記念青少年総合センター 国立劇場 こどもの国協会 繊維工業構造改善事業協会
日本私学振興財団 国民生活センター 情報処理振興事業協会 心身障害者福祉協会
海洋水産資源開発センター 日本万国博覧会記念協会 海洋科学技術センター 沖縄電力株式会社
軽自動車検査協会 国際交流基金 製品安全協会 自動車事故対策センター
日本小型船舶検査機構 総合研究開発機構 大阪国際空港周辺整備機構 中央漁業信用基金
高圧ガス保安協会 自動車安全運転センター 福岡空港周辺整備機構 海上災害防止センター
 以上のほか、清算中のものが6団体(うち1団体(国際電気通信株式会社)は昭和51年度中に清算結了)ある。
法律により特に会計検査院の検査に付するものと定められているもの

(1)

日本放送協会

 

 

国が資本金の一部を出資しているもの

(3)

日本自動車ターミナル株式会社 日本航空株式会社 漁業共済基金
国が資本金を出資したものが更に出資しているもの

(8)

帝都高速度交通営団 石油資源開発株式会社 コロンビア石油株式会社 ジャパン石油開発株式会社
カタール石油株式会社 アンデス石油開発株式会社 インドネシア石油株式会社 サバ海洋石油株式会社

2 政府関係機関の収入支出決算

 政府関係機関は、国が資本金の全額を出資している公法上の法人のうち、その予算の国会の議決に関して国の予算の議決の例によることとされ、また、決算を国の歳入歳出の決算とともに内閣が国会に提出しなければならないこととされている法人であって、昭和51年度におけるその団体数は15である。

(1) 日本専売公社

 日本専売公社は、たばこ及び塩の専売事業の健全にして能率的な実施に当たることを目的として設置されているもので、51年度末現在の資本金は232億5979万余円となっている。

 51年度の収入支出決算についてみると、収入では収入済額1兆8353億5619万余円、支出では、支出済額1兆1731億9501万余円、翌年度繰越額229億2451万余円、不用額1447億8002万余円となっている。

 翌年度繰越額の主なものは、たばこ事業費(支出予算現額1兆0171億6240万余円)の106億4094万余円、固定資産取得費(同567億2612万余円)の69億9565万余円、塩事業費(同874億7833万余円)の52億4269万余円、不用額の主なものは、たばこ事業費の1056億8653万余円、塩事業費の206億6958万余円である。

 前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、国内産葉たばこ17万余tの収納、たばこ2893億1225万余本の製造、29億1106万余本の輸入、2931億6097万余本の販売、塩722万余t(国内産塩102万余t、輸入塩620万余t)の受入れ、728万余tの販売である。

 なお、51年度における損益についてみると、営業損益において利益1兆1856億7671万余円(たばこ事業利益1兆1871億1039万余円、塩事業損失14億3368万余円)、営業外損益において利益5億3198万余円(たばこ事業利益4億9962万余円、塩事業利益3235万余円)で、合計1兆1862億0869万余円(たばこ事業利益1兆1876億1002万余円、塩事業損失14億0133万余円)の総利益を生じ、これから都道府県及び市町村に納付したたばこ消費税3819億5648万余円を差し引いた純利益は8042億5220万余円となっている。上記の純利益から利益積立金として積み立てる1471億4128万余円を控除した6571億1092万余円を専売納付金として国庫に納付している。また、同年度末における借入金の残高は2940億円(資金運用部資金及び農林中央金庫からの借入金)となっており、積立金の残高は、資本積立金126億4601万余円、利益積立金4007億4908万余円となっている。

(2) 日本国有鉄道

 日本国有鉄道は、鉄道事業等を能率的な運営によって発展させ、もって公共の福祉を増進することを目的として設置されているもので、51年度末現在の資本金は4560億1682万余円となっている。

 51年度の収入支出決算についてみると、損益、資本及び工事の3勘定並びに特定債務整理特別勘定に区分されている。損益勘定の収入では収入済額2兆5104億4159万余円、支出では、支出済額2兆6406億8043万余円、翌年度繰越額740億1079万余円、不用額431億3720万余円となっている。資本勘定の収入では収入済額1兆5921億5637万余円、支出では、支出済額1兆5915億9083万余円、翌年度繰越額494億4577万余円、不用額4億3924万余円となっている。工事勘定の収入では収入済額7870億0349万余円、支出では、支出済額7515億8097万余円、翌年度繰越額1611億0509万余円、不用額50億6163万余円となっている。また、特定債務整理特別勘定では、収入済額、支出済額ともに2440億7598万余円となっている。

 なお、上記の特定債務整理特別勘定は、日本国有鉄道法(昭和23年法律第256号)の改正により、再建のための新たな措置として前年度末における長期負債のうちの特定債務2兆5404億0500万円について、51年度以降一般会計から無利子の借入金及び利子補給金を受け入れ、これにより20年元利均等償還を行うなどの一連の処理について別途に経理することとなったため、新たに設置されたものである。

 翌年度繰越額の主なものは、損益勘定の保守費(支出予算現額4575億8656万余円)の513億7626万余円、工事勘定の一般施設取替改良費(同3244億7282万余円)の986億0788万余円、基幹施設増強費(同1385億0239万余円)の370億3390万余円、東北新幹線等建設費(同2084億6295万余円)の241億0677万余円であり、不用額の主なものは、損益勘定の営業費(同3328億1126万余円)の272億1690万余円、利子及債務取扱諸費(同3269億0725万余円)の108億7285万余円、工事勘定の建設関連利子(同465億0223万余円)の33億8233万余円、一般施設取替改良費の12億5451万余円である。

 前記の経理の基礎となった全営業キロ程は、鉄道21,276km、自動車15,084km等(いずれも51年度末現在)であり、損益勘定の収入に係る主な輸送実績は、旅客2141億人キロ、貨物462億トンキロであり、また、工事勘定の支出に係る業務実績の主なものは、新幹線及び在来線の24線区における線路の新増設、車両1,973両(電車740両、客車151両、貨車967両等)の増備等である。

 なお、51年度における損益についてみると、一般勘定と特定債務整理特別勘定に区分して経理されており、一般勘定の営業損益において損失9225億0728万余円、営業外損益において利益84億5678万余円で、差引き9140億5050万余円の純損失を生じているが、前年度からの繰越欠損金3兆1610億2235万余円のうち、2兆5404億0500万円を特定債務整理特別勘定に移し、5604億4276万余円を固定資産再評価積立金の減額により整理したので、繰越欠損金は9742億2508万余円となっている。また、同年度末における一般勘定の借入金の残高は2兆6575億1223万余円(資金運用部資金、簡易生命保険及郵便年金の積立金、一般会計及び国際復興開発銀行からの借入金)、鉄道債券の発行残高は2兆8006億8427万円となっており、資本積立金の残高は8595億6291万余円となっている。

(3) 日本電信電話公社

 日本電信電話公社は、公衆電気通信事業の合理的かつ能率的な経営の体制を確立し、公衆電気通信設備の整備及び拡充を促進し、電気通信による国民の利便を確保することにより、公共の福祉を増進することを目的として設置されているもので、51年度末現在の資本金は188億4758万余円となっている。

 51年度の収入支出決算についてみると、損益、資本及び建設の3勘定に区分されている。損益勘定の収入では収入済額2兆4808億0340万余円、支出では、支出済額2兆4327億6760万余円、翌年度繰越額35億4119万円、不用額337億4774万余円となっている。資本勘定の収入では収入済額2兆0156億4728万余円、支出では、支出済額2兆0008億2173万余円、翌年度繰越額630億1653万余円、不用額189億6206万余円となっている。また、建設勘定の収入では収入済額1兆3315億1928万余円、支出では、支出済額1兆3618億1425万余円、翌年度繰越額911億7763万余円、不用額120億2490万余円となっている。

 翌年度繰越額の主なものは、資本勘定の建設勘定へ繰入(支出予算現額1兆3985億2786万余円)の549億8368万余円、建設勘定の電信電話施設費(同1兆0890億2640万余円)の749億1692万余円、局舎建設費(同1755億2174万余円)の141億9846万余円であり、また、不用額の主なものは、損益勘定の利子及債務取扱諸費(同3547億1830万余円)の213億1312万余円、給与其他諸費(同9044億4795万余円)の49億9731万余円、資本勘定の建設勘定へ繰入の120億2490万余円、債券及借入金等償還(同6841億0746万余円)の69億3716万余円、建設勘定の電信電話施設費の120億2490万余円である。

 前記の経理の基礎となっているのは、51年度末現在、電話取扱局4,079局(ほかに郵便局に業務を委託しているもの730局)、電報取扱局1,694局(ほかに郵便局に業務を委託しているもの17,752局)、加入電話等3372万余加入(加入電話等普及率人口100人当たり29.6加入、ダイヤル化率99.6%)、公衆電話72万余個、公衆データ通信システムサービス(科学技術計算、販売在庫管理、定型計算各システム)24システム、各種データ通信システムサービス(為替、預金、貸付業務等)36システムである。これらのうち51年度中の増加分の主なものは、電話取扱局391局、電報取扱局26局(ほかに郵便局に業務を委託しているもの80局)、加入電話等201万余加入、公衆電話4万余個、公衆データ通信システムサービス2システム、各種データ通信システムサービス6システムである。

 なお、51年度における損益についてみると、営業損益において損失1326億8150万余円、営業外損益において損失98億2834万余円で、合計1425億0984万余円の欠損金を生じており、この欠損金については50年度から繰り越された積立金1973億4323万余円を減額して整理されている。また、同年度末における借入金の残高は3796億0835万余円(資金運用部資金及び簡易生命保険及郵便年金の積立金からの借入金)、電信電話債券の発行残高は4兆8090億4697万余円となっており、積立金の残高は548億3338万余円となっている。

(4) 国民金融公庫

 この公庫は、銀行その他一般の金融機関から資金の融通を受けることが困難な国民大衆に対して必要な事業資金の供給を行うことを目的として設置されているもので、51年度末現在の資本金は200億円となっている。

 51年度の収入支出決算についてみると、収入では収入済額1891億0874万余円、支出では、支出済額1857億8396万余円、不用額93億2453万余円となっている。不用額の主なものは支払利息(支出予算現額1622億8333万余円)の78億8616万余円である。

 上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、貸付け95万余件1兆6466億5170万余円、貸付金回収1兆3678億2685万余円で、年度末における貸付金の残高は219万余件2兆2930億0063万余円となっている。

 なお、51年度における損益についてみると、貸付金利息等の利益、借入金利息等の損失ともに2642億5929万余円となっている。また、同年度末における借入金の残高は2兆2589億4000万円(資金運用部資金、簡易生命保険及郵便年金の積立金及び一般会計からの借入金)となっている。

(5) 住宅金融公庫

 この公庫は、国民大衆が健康で文化的な生活を営むに足る住宅の建設等に必要な資金で、銀行その他一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通すること及び金融機関の住宅建設等に必要な資金の貸付けにつき保険を行うことなどを目的として設置されているもので、51年度末現在の資本金は972億円となっている。

 51年度の収入支出決算についてみると、収入では収入済額3496億2666万余円、支出では、支出済額3445億7279万余円、不用額50億5389万余円となっている。不用額の主なものは支払利息(支出予算現額3223億2360万余円)の20億4169万余円である。

 上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、住宅資金融通事業では住宅建設等36万余戸分など貸付契約1兆5279億5172万円、前年度までに貸付契約を行った分を含めた貸付実行1兆3607億9915万余円、貸付金回収2878億4880万余円で、年度末における貸付金の残高は262万余件5兆1969億4689万余円となっており、また、住宅融資保険事業では保険関係が成立した住宅融資保険の保険価額13,689件1022億2500万余円となっている。

 なお、51年度における損益は、貸付金利息等の利益4050億5536万余円、借入金利息等の損失4045億4875万余円で、5億0660万余円の利益金を生じており、この利益金は住宅融資保険事業において生じたもので、翌年度に積立金として積み立てられている。また、同年度末における借入金の残高は5兆2039億2000万円(資金運用部資金及び簡易生命保険及郵便年金の積立金からの借入金)、宅地債券の発行残高は41億6582万円となっており、積立金の残高は16億8107万余円となっている。

(6) 農林漁業金融公庫

 この公庫は、農林漁業者に対し、農林中央金庫その他一般の金融機関が融通することを困難とする長期かつ低利の資金を融通することを目的として設置されているもので、51年度末現在の資本金は1703億8101万余円となっている。

 51年度の収入支出決算についてみると、収入では収入済額1467億3034万余円、支出では、支出済額1582億4023万余円、不用額7億7029万余円となっている。不用額の主なものは業務委託費(支出予算現額115億1024万余円)の3億0461万余円である。

 上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、貸付決定15万余件5022億1284万余円、前年度までに貸付決定を行った分を含めた貸付実行13万余件4704億3241万余円、貸付金回収1374億2854万余円で、年度末における貸付金の残高は152万余件2兆3632億1352万余円となっている。

 なお、51年度における損益についてみると、貸付金利息等の利益、借入金利息等の損失ともに2060億9834万余円となっている。また、同年度末における借入金の残高は2兆1944億1351万余円(資金運用部資金、簡易生命保険及郵便年金の積立金、一般会計及び産業投資特別会計からの借入金)となっている。

(7) 中小企業金融公庫

 この公庫は、中小企業者の行う事業の振興に必要な長期資金であって一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的として設置されているもので、51年度末現在の資本金は252億1000万円となっている。

 51年度の収入支出決算についてみると、収入では収入済額2158億9184万余円、支出では、支出済額2088億5093万余円、不用額52億2732万余円となっている。不用額の主なものは支払利息(支出予算現額1864億1679万余円)の24億3286万余円である。

 上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、貸付け73,375件1兆2704億5966万余円、貸付金回収8928億0122万余円で、年度末における貸付金の残高は27万余件2兆8064億0323万余円となっている。

 なお、51年度における損益についてみると、貸付金利息等の利益、借入金利息等の損失ともに3042億7424万余円となっている。また、同年度末における借入金の残高は2兆2764億円(資金運用部資金及び簡易生命保険及郵便年金の積立金からの借入金)、中小企業債券の発行残高は4088億6170万円となっている。

(8) 北海道東北開発公庫

 この公庫は、北海道及び東北地方における産業の振興開発を促進し、国民経済の発展に寄与するため、長期の資金を供給すること等により民間の投資及び一般の金融機関が行う金融を補完し又は奨励することを目的として設置されているもので、51年度末現在の資本金は155億円となっている。

 51年度の収入支出決算についてみると、収入では収入済額347億5157万余円、支出では、支出済額317億0979万余円、不用額12億7043万余円となっている。不用額の主なものは支払利息(支出予算現額302億0029万余円)の11億6558万余円である。

 上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、貸付け301件1211億6700万円及び出資3件6億5800万円計304件1218億2500万円(これを地方別にみると、北海道147件601億円、東北地方157件617億2500万円)、貸付金回収529億9773万余円で、年度末における貸付金の残高は2,041件4715億1054万余円、出資金の残高は23会社52億3050万円となっている。

 なお、51年度における損益についてみると、貸付金利息等の利益614億2881万余円、借入金利息等の損失606億7330万余円で、7億5551万余円の利益金を生じており、この利益金は産業投資特別会計の51年度歳入に納付されている。また、同年度末における借入金の残高は1467億5451万余円(資金運用部資金及び簡易生命保険及郵便年金の積立金からの借入金)、北海道東北開発債券の発行残高は3043億5440万円となっている。

(9) 公営企業金融公庫

 この公庫は、地方公共団体に対して、公営企業の健全な運営に資するため特に低利かつ安定した資金を融通するほか、地方道路公社及び土地開発公社に対して、一般の金融機関が行う融資を補完し、長期の資金を融通することを目的として設置されているもので、51年度末現在の資本金は56億円となっている。

 51年度の収入支出決算についてみると、収入では収入済額1078億4823万余円、支出では、支出済額1082億5081万余円、不用額23億5795万余円となっている。不用額の主なものは支払利息(支出予算現額1055億6829万余円)の18億2355万余円である。

 上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、貸付け3,103件5044億7260万円、貸付金回収776億5264万余円で、年度末における貸付金の残高は25,756件1兆6452億8965万余円となっている。

 なお、51年度における損益についてみると、貸付金利息等の利益、債券利息等の損失ともに1126億7823万余円となっている。また、同年度末における公営企業債券の発行残高は1兆6377億6900万円となっている。

(10) 中小企業信用保険公庫

 この公庫は、中小企業者の債務の保証等につき保険を行うとともに信用保証協会に対してその業務に必要な資金を融通することにより、中小企業者に対する事業資金の融通を円滑にすることを目的として設置されているもので、51年度末現在の資本金は1831億4791万余円となっている。

 51年度の収入支出決算についてみると、収入では収入済額465億7755万余円、支出では、支出済額733億4725万余円、不用額4945万余円となっている。

 上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、保険事業では保険関係が成立した保険価額103万余件3兆8091億1815万余円、保険金支払36,569件712億7941万余円、支払保険金等回収209億2010万余円となっており、融資事業では貸付け681件1040億4100万円、貸付金回収830億5700万円で、年度末における貸付金の残高は782件1438億9100万円となっている。

 なお、51年度における損益についてみると、保険料収入等の利益690億1584万余円、支払保険金等の損失821億2281万余円で、131億0697万余円の損失金を生じており、この損失金は翌年度に資本金を減額して整理されている。

(11) 医療金融公庫

 この公庫は、国民の健康な生活を確保するに足りる医療の適正な普及向上に資するため、私立の病院、診療所等の設置及びその機能の向上に必要な長期かつ低利の資金であって一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的として設置されているもので、51年度末現在の資本金は115億円となっている。

 51年度の収入支出決算についてみると、収入では収入済額248億7455万余円、支出では、支出済額252億7474万余円、不用額2億3734万余円となっている。不用額の主なものは支払利息(支出予算現額221億7765万余円)の1億1415万余円である。

 上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、貸付け2,614件740億円、貸付金回収276億5874万円で、年度末における貸付金の残高は25,913件3663億6943万余円となっている。

 なお、51年度における損益についてみると、貸付金利息等の利益、借入金利息等の損失ともに289億8028万余円となっている。また、同年度末における借入金の残高は3428億6458万余円(全額資金運用部資金からの借入金)となっている。

(12) 環境衛生金融公庫

 この公庫は、公衆衛生の向上及び増進に資するため、公衆衛生の見地から国民の日常生活に密接な関係のある環境衛生関係の営業について衛生水準を高め及び近代化を促進するために必要な資金であって一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的として設置されているもので、51年度末現在の資本金は10億円となっている。

 51年度の収入支出決算についてみると、収入では収入済額361億8262万余円、支出では、支出済額367億2243万余円、不用額9億6788万余円となっている。不用額の主なものは支払利息(支出予算現額299億8784万余円)の6億2277万余円である。

 上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、貸付け96,775件1807億4850万余円、貸付金回収1086億7926万余円で、年度末における貸付金の残高は35万余件4328億7738万余円となっている。

 なお、51年度における損益についてみると、貸付金利息等の利益、借入金利息等の損失ともに449億1317万余円となっている。また、同年度末における借入金の残高は4321億4000万円(全額資金運用部資金からの借入金)となっている。

(13) 沖縄振興開発金融公庫

 この公庫は、沖縄における産業の開発を促進するため、長期資金を供給して一般の金融機関が行う金融を補完し又は奨励するとともに、沖縄の国民大衆、住宅を必要とする者、農林漁業者、中小企業者、病院その他の医療施設を開設する者、環境衛生関係の営業者等に対する資金で一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通し、もって沖縄における経済の振興及び社会の開発に資することを目的として設置されているもので、51年度末現在の資本金は245億5599万余円となっている。

 51年度の収入支出決算についてみると、収入では収入済額176億6926万余円、支出では、支出済額183億0149万余円、不用額19億9456万余円となっている。不用額の主なものは支払利息(支出予算現額177億6746万余円)の16億7280万余円である。

 上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、貸付け14,310件899億9376万余円、貸付金回収322億9021万余円で、年度末における貸付金の残高は63,709件2912億0169万余円となっている。

 なお、51年度における損益についてみると、貸付金利息等の利益、借入金利息等の損失ともに222億2321万余円となっている。また、同年度末における借入金の残高は2713億7763万余円(資金運用部資金、簡易生命保険及郵便年金の積立金及び米国商品融資公団からの借入金)となっている。

(14) 日本開発銀行

 この銀行は、長期資金の供給を行うこと等により産業の開発及び経済社会の発展を促進するため、一般の金融機関が行う金融等を補完し又は奨励することを目的として設置されているもので、51年度末現在の資本金は2339億7100万円となっている。

 51年度の収入支出決算についてみると、収入では収入済額2624億1043万余円、支出では、支出済額2125億3151万余円、不用額140億4725万余円となっている。不用額の主なものは支払利息(支出予算現額2155億0532万余円)の136億6616万余円である。

 上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、貸付け1,056件7607億8900万円、貸付金回収3602億7744万余円、外貨債務の保証4件125億5625万余円、減少した保証債務額370億8348万余円で、年度末における貸付金の残高は7,325件3兆8724億3820万余円、保証債務の残高は58件3158億8031万余円となっている。

 なお、51年度における損益についてみると、貸付金利息等の利益3946億8877万余円、借入金利息等の損失3574億5116万余円で、372億3761万余円の利益金を生じており、この利益金は、うち271億0706万余円が翌年度に法定準備金として積み立てられ、残額101億3054万余円が産業投資特別会計の51年度歳入に納付されている。また、同年度末における借入金の残高は3兆2157億6744万余円(資金運用部資金、産業投資特別会計及び国際復興開発銀行からの借入金)、外貨債券の発行残高は662億7336万余円となっており、法定準備金の残高は2086億4233万余円となっている。

(15) 日本輸出入銀行

 この銀行は、金融上の援助を与えることによりわが国の外国との貿易を主とする経済の交流を促進するため、一般の金融機関が行う輸出入及び海外投資に関する金融を補完し又は奨励することを目的として設置されているもので、51年度末現在の資本金は8283億円となっている。

 51年度の収入支出決算についてみると、収入では収入済額2016億9409万余円、支出では、支出済額1863億5930万余円、不用額125億0249万余円となっている。不用額の主なものは支払利息(支出予算現額1946億9579万余円)の121億7590万余円である。

 上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、貸付け1,083件9918億8729万余円、貸付金回収4552億0644万余円、債務の保証684件210億5079万余円、減少した保証債務額117億1585万余円で、年度末における貸付金の残高は5,935件3兆8974億5807万余円、保証債務の残高は1,098件732億0118万余円となっている。

 なお、51年度における損益についてみると、貸付金利息等の利益3250億8922万余円、借入金利息等の損失3249億7004万余円で、1億1917万余円の利益金を生じており、この利益金は、インドネシア共和国の中央銀行に対する借款に係る債権繰延べ関係の経理を整理する特別勘定において生じたもので、翌年度に積立金として積み立てられている。また、同年度末における借入金の残高は3兆0349億6248万余円(資金運用部資金及び一般会計からの借入金)となっており、法定準備金の残高は18億6177万余円、積立金の残高は3億2142万余円となっている。