ページトップ
  • 昭和51年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 所管別の事項|
  • 第9 労働省|
  • 不当事項|
  • 保険

雇用調整給付金の支給が適正でなかったもの


(49) 雇用調整給付金の支給が適正でなかったもの

会計名及び科目 労働保険特別会計 (雇用勘定) (項)雇用改善等事業費
部局等の名称 山形県ほか13都県
事業主 38事業主
雇用調整給付金の支給額の合計 475,199,601円

 上記の38事業所の事業主に雇用調整給付金475,199,601円を支給しているが、支給に当たって、調査が十分でなかったため、68,299,943円が不適正に支給されていた。これを都県ごとに集計して掲げると、別表 のとおりである。

 これは、北海道ほか26都府県において383事業所の事業主に対して支給した雇用調整給付金2,444,660,828円について本院が調査した結果である。

(説明)

 雇用調整給付金は、雇用保険法(昭和49年法律第116号)に基づき、景気の変動等経済上の理由により、労働大臣が指定する業種の事業主が労働大臣が定める期間内にその事業活動を縮小して一定規模以上の休業を余儀なくされ労働者に休業手当を支払った場合に、国がその休業手当の一部を助成するものである。そして、雇用調整給付金を支給するに当たっては、事業主から休業実施日、休業対象被保険者、休業手当の額等休業の実績を記載した申請書を提出させ、雇用保険法施行規則(昭和50年労働省令第3号)等に定める支給要件に適合しているかどうかを各都道府県の指導の下に各公共職業安定所が審査することになっている。

 しかして、雇用調整給付金の支給の適否について検査したところ、山形県ほか13都県では、事業主が、就業規則等により従来休日としていた日を、支給要件を満たすため労使間協定等により取り消し又は他の日に振り替えて労働日としたうえ、この日を支給対象の休業日としたり、雇用保険の被保険者とならない役員を支給の対象としたりなどして、雇用調整給付金の支給要件を欠いているものがあるのに、これに対する審査が十分でなかったため、本院が調査した273事業主に対する支給額のうち、38事業主分475,199,601円について68,299,943円が不適正に支給されていた。

(別表)

都県別 本院が調査した事業主数 不適正受給事業主数 左の事業主に支給した雇用調整給付金 左のうち不適正雇用調整給付金
山形県 10 1 千円
4,403
千円
1,489
茨城県 16 1 1,927 289
埼玉県 25 7 74,016 5,035
東京都 78 7 147,069 27,682
神奈川県 35 2 23,489 1,791
山梨県 5 2 20,448 3,060
静岡県 6 2 6,406 289
愛知県 27 6 75,820 10,742
兵庫県 28 3 60,916 8,332
岡山県 14 2 22,657 5,888
高知県 3 1 2,920 892
福岡県 10 1 23,565 1,331
佐賀県 9 1 577 345
熊本県 7 2 10,979 1,126
273 38 475,199 68,299