科目 | (項)塩事業費 |
部局等の名称 | 日本専売公社(支払箇所 平出張所) |
役務の概要 | 塩29,626tを製塩業者の工場から小名浜港まで貨物自動車で運送して船積みする作業 |
契約の相手方 | 日本塩回送株式会社 |
契約 | 昭和51年4月 随意契約 |
支払 | 昭和51年6月〜52年3月 |
支払役務料金総額 | 68,460,018円(塩1t当たり単価1,884円〜2,667円) |
貨物自動車車扱いによる塩の運送に当たり、有利な時間制運賃を適用して契約すべきであったのに、距離制運賃等を基とした単価で契約したため、約1020万円が不経済になったと認められる。
(説明)
上記の支払額68,460,018円は、製塩企業である新日本化学工業株式会社の小名浜工場(以下「工場」という。)で収納した塩(並塩、食塩)29,626tを工場から倉出しし小名浜港ふ頭まで貨物自動車車扱いにより運送のうえ、船積みするまでに要した経費を塩運送契約で定めた単価により支払ったものである。
しかして、上記単価の計算のうち、工場から小名浜港ふ頭まで約2.4kmから3.9kmの運送区間を貨物自動車車扱いにより運送する運賃(支払額中の相当額21,392,711円)の計算についてみると、昭和51年4月1日から52年1月9日までは、46年5月仙台陸運局長認可に係る8t車を超え10t車以下のキロ程10kmまでの車扱距離制運賃1回当たり4,900円に、その後の運賃上昇率等を折り込んだ6,913円を基とし、また52年1月10日の認可運賃改定後は、50年9月運輸大臣認可の通運事業車扱運賃料金による10kmまでの集配料(A号級)1t当たり780円を準用して計算し、これらに包装による重量増分を加算して塩正味1t当たり703円から802円と算定している。
しかし、本件運送の実態についてみると、1船当たりの船積み量は1,059tから1,800tで、これを2日で船積みすることとなっているところから貨物自動車による1日当たりの運送量は多量となり、運送距離も短く、しかもパレット積みの荷姿で積卸しに時間を要しないため、10.5t車から11.5t車までの車両を使用して、1日8回程度の反復運送をしている状況である。
このように、効率的に反復運送ができる場合には、1回の運送ごとに運賃を計算する車扱距離制運賃等に比べて有利な車扱時間制運賃(走行キロ100km以内で一定時間内に何回反復運送しても運賃が一定のもの)があるから、本件運送についてはこれを適用して運賃を計算すべきであったと認められる。
いま、仮に本件運送について使用車両及び運送回数は実績に基づくこととして車扱時間制運賃により計算したとすれば、貨物自動車運賃は11,147,500円、役務料金総額は58,214,807円となり、本件支払額はこれに比べて約1020万円が不経済になっていると認められる。