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  • 昭和51年度|
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  • 工事

防音壁等の新設工事の施行に当たり、側方しゃ音壁の腕材ガセット取付け工事費の積算が適切でなかったため、契約額が割高になったもの


(62) 防音壁等の新設工事の施行に当たり、側方しゃ音壁の腕材ガセット取付け工事費の積算が適切でなかったため、契約額が割高になったもの

科目 (工事勘定) (項)一般施設取替改良費
部局等の名称 新幹線総局
工事名 名古屋・岐阜羽島間上中架道橋防音工架設工事
工事の概要 東海道新幹線における列車の走行に伴う騒音を低減するため、上中架道橋に側方しゃ音壁302m、制振工1,866m2 、下面しゃ音板799m2 等を施工する工事
工事費 250,000,000円
請負人 川崎重工業株式会社
契約 昭和52年3月 指名競争契約

 この工事は、側方しゃ音壁の新設に伴う腕材ガセット取付け工事費の積算が適切でなかったため、契約額が約4440万円割高になったと認められる。

(説明)

 この工事のうち、側方しゃ音壁設置の設計についてみると、架道橋の鋼げた(以下「本げた」という。)の外側にトラスタイプの腕材を120箇所取り付け、架道橋の本げたに設置されている保守用通路を支える既設の腕材に支材を47箇所取り付け、また、これらの腕材に支柱を取り付けるなどしてしゃ音壁(上り線側219m、下り線側83m)を架設することとしており、本げたと腕材、腕材と支材等の連結にはガセット(つなぎ鋼板)を使用してボルトで締め付け施工することとしている。

 しかして、上記の連結167箇所のガセット取付け工事費の積算についてみると、昭和51年7月に当局が作成した「無道床鉄けた防音工積算要領」を適用して、腕材1箇所当たりのガセット取付け作業のための歩掛かりに、取付け箇所の本げた等の延べせん孔数2,370を乗じて所要人員を算出し、これに職種ごとの労務賃金を乗じてそれぞれ本げたせん孔費、ケレン費及びガセット取付け費等の直接費を37,698,098円と算定し、これに上記各作業の所要人員に応じた保安要員等の間接経費7,767,710円を加算して合計45,465,808円と積算している。

 しかし、上記のガセット取付け作業の歩掛かりは、腕材1箇所当たりの本げたのせん孔数を12個、ケレン面積を0.16m2 、取付けボルト数を16本とし、これにより作成されているものであるが、本件取付け作業のうち114箇所については、ケレン面積は0.09m2 、ボルト数は18本となっているなど上記積算要領に定められている腕材1箇所当たりの施工条件と異なる箇所もあるので、それぞれの実情に即した腕材1箇所当たりの歩掛かりを作成し、これに上記取付け箇所数167を施工条件の別に区分したそれぞれの箇所数を乗じて所要人員を算出すべきであるのに、誤って上記積算要領の歩掛かりに本げた等の延べせん孔数2,370を乗じたため、著しく過大な積算になっているばかりでなく、全施工箇所に一律に適用したため積算が作業の実情に適合しないものになっている。

 いま、上記によりガセット取付け工事費を修正計算すると、本げたせん孔費等の直接費2,883,581円、保安要員等の間接経費601,680円計3,485,261円となり、工事費総額は203,910,108円となるが、当局の積算において積算漏れとなっていたしゃ音壁の小運搬費等の経費を考慮しても総額205,529,180円で足り、本件契約額はこれに比べて約4440万円割高であったと認められる。

(参考図)

(参考図)

防音壁等の新設工事の施行に当たり、側方しゃ音壁の腕材ガセット取付け工事費の積算が適切でなかったため、契約額が割高になったものの図1

防音壁等の新設工事の施行に当たり、側方しゃ音壁の腕材ガセット取付け工事費の積算が適切でなかったため、契約額が割高になったものの図2