日本電信電話公社本社及び東京ほか7電気通信局(注) が昭和51年度中に施行している電話局舎の新増築に伴う空気調整装置工事58工事(工事費総額85億6241万円)について検査したところ、唐ヶ崎電話局増築その他第B期空気調整装置工事ほか9工事(工事費総額12億2851万円)において、次のとおり、空気調和機の設置時期が適切でないと認められる事例が見受けられた。
すなわち、上記の10工事は、いずれも電話局舎の新増築に伴い空気調整装置を設置する工事であるが、このうち、通信機械が収容される機械室に設置する空気調和機については、日本電信電話公社が定める「電気通信技術標準実施方法」及び「施設局舎等空調装置設計指針」等に基づき、開局時又は開局後間もなく通信機械を導入する予定の機械室だけでなく、開局8年後までに導入が見込まれる機械室全部についても、各機械室ごとに個別のパッケージ又はユニット方式の空気調和機を設置することとして、75台分計1億2446万余円(すえ付け工事費を含む。)の設置費を計上していた。
しかし、この空気調和機はパッケージ又はユニット方式のものであるから、必要な時期にこれを設置することができるものであり、また、近年においては加入電話の需要の鈍化等によって通信機械の導入が直ちに行われることはないので、すべての機械室について空気調和機を設置することとしたのは適切でなく、上記75台のうち、開局後相当の期間通信機械の導入見込みがない機械室に設置することとしている空気調和機25台分約4200万円(すえ付け工事費を含む。)はこの間遊休することになると認められた。
上記について当局の見解をただしたところ、日本電信電話公社では、52年10月に各電気通信局に通達を発し、通信機械の設置予定が開局2年後(搬送、無線機械室については開局時)までにない場合は通信機械が設置される時期に見合った適切な時期に空気調和機を設置することとし、11月以降契約する工事について適用することとする処置を講じた。
(注) 東京ほか7電気通信局 東京、関東、信越、東海、近畿、九州、東北、北海道各電気通信局