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  • 昭和51年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 政府関係機関その他の団体別の事項|
  • 第6 日本住宅公団|
  • 本院の注意により当局において改善の処置を講じた事項

住宅建設用地の除草費の積算について


(1) 住宅建設用地の除草費の積算について

 東京支社ほか2支社(注) が昭和51年度に施行した西原4丁目団地(仮称)除草その他工事ほか29工事(工事費総額7816万余円)について検査したところ、次のとおり、予定価格の積算が適切でないと認められる点が見受けられた。

 すなわち、上記の各工事は住宅建設用地(総面積140万余m2 )について環境保全のため繁茂したかや等雑草の刈り取り、集草、焼却などの作業を行うもので、予定価格の積算に当たって、除草費(積算額6889万余円)については、この種除草作業についての積算基準が整備されていないので、日本住宅公団が定めた「測量作業積算要領」(以下「要領」という。)に示されている歩掛かりを適用して積算していた。しかして、上記の要領は測量作業の支障となる樹木等を伐採する場合に適用するもので、その歩掛かりは測量に要する伐採幅が狭いなどのため人力によって施工することとして作成されている。しかし、本件のように作業面積(1万m2 〜18万m2 )や除草幅(10m以上)の広い場合の除草には、近年、人力に比べて能率的かつ経済的な肩掛式又はハンドガイド式の草刈機械が使用されている状況であり、また集草、焼却についても上記と同様な作業条件で行われるものであるから、これらの実情を考慮すれば本件歩掛かりは相当程度低減できたと認められ、前記の各工事について同種工事を施行している他団体の積算基準等を参考として積算したとすれば、工事費を約3800万円程度節減できたと認められた。

 上記について当局の見解をただしたところ、日本住宅公団では、52年8月に、施工の実態に適合した「用地管理等に係る草刈作業積算要領」を新たに制定する処置を講じた。

(注)  東京支社ほか2支社  東京、関東、関西各支社