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  • 昭和51年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 政府関係機関その他の団体別の事項|
  • 第7 日本道路公団|
  • 本院の注意により当局において改善の処置を講じた事項

橋りょう工事等における現場打ち鉄筋コンクリートぐいの鉄筋工費の積算について


 橋りょう工事等における現場打ち鉄筋コンクリートぐいの鉄筋工費の積算について

 日本道路公団で、昭和51年度に施行している道央自動車道ママチ川橋(下部工)工事ほか79工事(工事費合計1375億8638万余円)について検査したところ、次のとおり、現場打ち鉄筋コンクリートぐい(以下「現場打ちぐい」という。)の鉄筋工費の積算が適切でないと認められる点が見受けられた。

 すなわち、上記の各工事では、高速道路等の橋りょう及び高架橋等の構造物の基礎を現場打ちぐいにより施工しているものであるが、この現場打ちぐいの鉄筋工費(鉄筋総量36,368t分38億6734万余円)の積算についてみると、鉄筋加工組立てに要する労務費は同公団制定の土木工事積算要領(以下「積算要領」という。)により現場打ちぐいの場合の鉄筋加工組立て歩掛かりを適用し算定していた。

 しかして、上記の歩掛かりは積算要領に定めている一般の鉄筋コンクリート構造物の鉄筋加工組立ての歩掛かりとほぼ同程度となっているが、橋りょうの橋脚、床版等一般構造物の場合の鉄筋加工組立て作業は、主鉄筋及び配力鉄筋となる棒鋼を構造物の寸法、形状に合わせて切断、曲げ加工を行った後に、これらを組み立てる複雑な作業であるのに対し、現場打ちぐいの場合の鉄筋加工組立て作業は主鉄筋と帯鉄筋とを組み合わせて円筒形のかご状のものを作るものであって、帯鉄筋用棒鋼は切断、曲げ加工を要するものの、主鉄筋用の大部分は定尺物を使用するものであり、また、組立て作業においても主鉄筋との交差部を地上において溶接するだけのものであるから、現場打ちぐいの場合の歩掛かりは一般構造物の場合の歩掛かりに比べて相当下回るものと認められた。そこで、本院が現場打ちぐいの鉄筋加工組立ての作業の実態を調査したところ、その歩掛かりは一般構造物の場合の歩掛かりを相当下回っており、また、他機関におけるこの種作業を行う場合の歩掛かりも公団の歩掛かりを下回っていた。

 したがって、前記の各工事について、このような施工の実態を考慮して積算したとすれば、積算額を約3億2200万円程度低減できたと認められた。

 上記について当局の見解をただしたところ、日本道路公団では、52年9月に積算要領の現場打ちぐいの鉄筋加工組立て歩掛かりを施工の実態に適合したものに改め、同年10月以降契約を締結する工事から適用することとする処置を講じた。