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  • 昭和51年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 政府関係機関その他の団体別の事項|
  • 第8 水資源開発公団|
  • 本院の注意により当局において改善の処置を講じた事項

導水路の建設に伴う地上権の設定について


 導水路の建設に伴う地上権の設定について

 北総東部用水建設所ほか5建設所(注) が昭和50、51両事業年度中に管水路及びトンネル等の建設に伴い地上権を設定したもの(権利設定面積114,101.58m2 、契約総額288,840,751円)について検査したところ、次のとおり、地上権の設定幅が適切でないと認められる点が見受けられた。

 すなわち、管水路における地上権の設定幅については、構築物の保護のほか故障時の修復に必要な範囲を見込むこととし、水資源開発公団が制定した「土木工事等設計書作成基準」により、コンクリート管の場合は両側に0.8m、鋼管の場合は両側に1mをそれぞれ加えた幅を権利の設定幅とし、また、トンネル、暗きょ及びサイホンの場合は管水路等の地上権設定例を参考としてトンネル及び暗きょの左右それぞれ約1m、サイホンの基礎幅の左右それぞれ0.75mの余裕を見込んだ幅を設定幅としていた。

 しかし、近年管水路の漏水の原因であった接続箇所の工法が著しく改良されてきていることなどから、地上権の設定幅は修復のための幅を見込む要はなく、上記管水路等の構築物の保護に必要な範囲内で足りると認められ、他団体の地上権設定例においても、管水路については構築物の最大幅(この場合は基礎幅)で、トンネルについては構築物の外側から左右それぞれ0.5mを加えた幅で設定している状況であり、暗きょ及びサイホンについては、その施工方法によって管水路及びトンネルに準じて設定すれば十分に保護されると認められ、この設定幅によったとすれば前記の契約総額を約5600万円程度節減できたと認められた。

 上記について当局の見解をただしたところ、水資源開発公団では、52年8月に各支社長等に対して通達を発し、導水路の建設に伴う地上権の設定契約に当たっては、管水路については基礎幅とし、トンネルについては構築物の外側から左右それぞれ0.5mを加えた幅とし、暗きょ及びサイホンについては、その施工方法により管水路又はトンネルに準じた幅をもって地上権の標準設定幅とする処置を講じた。

北総東部用水建設所ほか5建設所 北総東部用水、房総導水路、木曾川総合用水第一、木曾川総合用水第二、三重用水、成田用水各建設所