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  • 昭和51年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 政府関係機関その他の団体別の事項|
  • 第10 石油開発公団|
  • 特に掲記を要すると認めた事項

石油等の探鉱開発を行う会社に対する投融資資産について


 石油等の探鉱開発を行う会社に対する投融資資産について

 石油開発公団(以下「公団」という。)では、昭和43年以来、海外等における石油等の探鉱及び採取に必要な資金の供給を行うため、石油等の探鉱開発を行う民間会社に対し、原則として総探鉱事業費の50%から70%を限度として出資(株式の取得)又は資金の貸付けを行っている。そして、51事業年度においては23会社に対し536億6571万余円の投融資(出資金226億1400万円、貸付金310億5171万余円)を行っており、同事業年度末現在における石油開発投融資資産は2879億0755万余円(出資金40会社分1473億7059万余円、貸付金10会社分1405億3695万余円)に上っている。

 また、同事業年度の損益をみると、当期利益3億6743万余円をもって繰越欠損金の全額を埋めていて、同事業年度末現在における利益剰余金は零となっている。

 しかして、公団の投融資に係る探鉱事業の実施状況をみると、インドネシア石油株式会社ほか7会社(注1) (資本金合計1300億1600万円、うち公団出資金649億8000万円、貸付金1075億5597万余円)は石油資源の開発に成功して目下生産中であるものの、コロンビア石油株式会社ほか10会社(注2) (資本金合計607億8540万余円)は公団から出資金251億4588万余円を受け入れ探鉱事業を実施してきたが、いずれも探鉱開発に失敗し、46年10月から52年6月までの間に探鉱利権を放棄したり、長期間探鉱事業を実施していなかったりして、休眠状態のまま存続している状況である。したがって、これら休眠会社に対する公団の出資金は早晩整理せざるを得なくなるものと認められるが、休眠会社の51事業年度末現在における正味資産(不良資産を除く。)額合計は46億4765万余円にすぎず、前記資本金額を大幅に下回っているので、今後、これら会社が解散して清算を行う場合には公団の投資資産額の大部分は損失処理しなければならなくなるものと認められ、51年11月までに清算を結了した中東石油株式会社ほか2会社(注3) についてみても、公団出資金39億6212万余円のうち38億9865万余円が損失処理されている状況である。

 これらのことから公団が保有している石油開発投融資資産のうちには多額の不良資産が含まれていると認められる。

 このように多額の不良資産を保有する結果となっているのは、石油探鉱開発事業は危険負担が極めて大きいので、この事業に投資する企業としては危険負担を軽減するため、1プロジェクトヘの資金の集中を避けて幾つかのプロジェクトに分散して投資することとなり、また、プロジェクトごとに幾つかの企業から出資を求めて会社を設立して事業推進に当たるという形態が採られた結果、現在のように多くの会社が設立されたものであり、そのうえ、それぞれの会社は利権料、探鉱費等にばく大な経費を要するため、資金力が乏しいものとなり、予定した探鉱事業に成功しない場合はその会社は休眠会社とならざるを得ない状況となっており、しかも、これらの休眠会社の整理について公団が民間株主の意向を考慮することなどから、これら会社の整理が進ちょくしていないことによるものと認められる。

 石油探鉱開発事業に対する公団の投融資事業は今後も引き続き行われるものであり、探鉱事業が不成功に終わり事業を取りやめる事態となる会社も更に発生するものと思料されるので、このまま推移すると公団が保有する不良資産は累増するものと認められる。

(注1) インドネシア石油株式会社ほか7会社 インドネシア石油株式会社
アブダビ石油株式会社 ザィール石油株式会社
合同石油開発株式会社 出光石油開発株式会社
日本海洋石油資源開発株式会社 ジャパン石油開発株式会社
日本イラク石油開発株式会社
(注2) コロンビア石油株式会社ほか10会社 コロンビア石油株式会社
カタール石油株式会社
ジルド・オーストラリア プロプラィアタリー・リミテッド
オセアニア ペトロリアム プロプラィアタリー・リミテッド
ジャペックス・カナダ・リミテッド サバ海洋石油株式会社
アンデス石油開発株式会社 サバ石油開発株式会社
スマトラ石油株式会社 アラカン石油開発株式会社
北日本大陸棚石油株式会社
(注3) 中東石油株式会社ほか2会社 中東石油株式会社
マダガスカル石油開発株式会社
ジャペックス・オーストラリア プロプラィアタリー・リミテッド