部局等の名称 | 日本下水道事業団 |
工事名 | 町田汚水幹線建設工事その3 |
工事の概要 | 国庫補助金の交付を受けて事業を実施する町田市から委託を受け、下水道汚水幹線を新設するため、シールド工法による管きょ635m及びトンネル168m等を施工する工事 |
工事費 | 320,000,000円 |
請負人 | 株式会社間組 |
契約 | 昭和51年8月 指名競争契約 |
しゅん功検査 | 昭和52年3月 |
支払 | 昭和51年10月及び52年5月 |
この受託工事は、監督及び検査が適切でなかったため、トンネル延長97m(工事費相当額19,116,000円)の施工が設計と相違し、覆工コンクリートの強度が設計に比べて著しく低くなっていて工事の目的を達していないと認められる。
(説明)
この工事は、町田市が国庫補助金192,000,000円の交付を受けて工事費320,000,000円で実施する公共下水道汚水幹線建設工事を、日本下水道事業団が同市から委託を受けて施工したものである。
しかして、この工事の設計によれば、トンネルは、内空断面の形状を直径1.5mの円形、覆工コンクリートの巻き立てを厚さ30cm(以下「設計巻き厚」という。)で施工することとし、施工に当たっては、設計中心線を確認しながら掘進し、鋼製H型支保工(以下「支保工」という。)は外側が設計巻き厚線に合致するように1.5m間隔で建て込み、その外周に土留め矢板を施工することとし、覆工型わくについても設計中心線を中心として組み立てることになっていた。
しかるに、施工に当たり、掘削の中心線が設計中心線からずれていたのに、支保工は掘削断面に合わせて建て込み、しかも、覆工型わくを設計中心線を中心として組み立ててコンクリートを打設したなどのため、覆工コンクリートのアーチ部及び側壁部についてせん孔して調査を行った結果は、トンネル延長168mのうち97mの区間は、覆工コンクリートの厚さが設計に比べて不足している箇所が93箇所あり、うち11箇所については厚さが設計の2分の1程度にも達しておらず、また、設計巻き厚内に土留め矢板等が入っている箇所もあるなど施工が著しく粗雑になっている。このため、上記区間のトンネル(工事費相当額19,116,000円)は覆工コンクリートの強度が設計に比べて著しく低くなっていて工事の目的を達していない。
(参考図)