会計名及び科目 | 一般会計 | (組織)農林水産本省 | (昭和52年度は農林本省) |
(項)北海道土地改良事業費 (項)北海道農用地開発事業費 | |||
(組織)水産庁 |
(項)北海道漁港施設費 | ||
港湾整備特別会計 | (項)北海道港湾事業費 | ||
空港整備特別会計 | (項)北海道空港整備事業費 | ||
道路整備特別会計 | (項)北海道道路事業費 | ||
治水特別会計(治水勘定) | (項)北海道河川事業費 | ||
(特定多目的ダム 建設工事勘定) |
(項)北海道多目的ダム建設事業費 | ||
部局等の名称 | 小樽、函館、室蘭、留萌、稚内、網走、釧路、石狩川各開発建設部、建設機械工作所、室蘭、浦河両港湾建設事務所、帯広農業事務所、八雲、瀬棚、浜頓別各出張所、利別川今金改修、江別、長沼各事業所 | ||
購入物品 | シート258枚、マット89枚及び5巻、安全ロープ53巻、天幕6張、ファイル3,350冊、寝袋11個、封筒1,400枚、テープ120巻、手袋120双 | ||
購入価額 | 20,924,200円(うち昭和52年度契約分15,174,200円) | ||
契約の相手方 | 有限会社 渡辺商会ほか27名 | ||
契約 | 昭和52年5月〜54年2月 | 随意契約 | |
支払 | 昭和52年6月〜54年4月 | 143回 | |
(うち52年度支払分100回15,174,200円) |
これらの物品の不当な価格での売込みに対して適切な処置を講じないままその購入を繰り返したため、購入価額が約1740万円高価となっていると認められる。
(説明)
これらの物品は、庁用及び道路改良等の事業用として上記各部局で購入したものである。
しかして、これらの物品は、いずれも市中で一般に販売されているものであって、これら物品の購入価格と市販価格等とを対比してみると、本件購入価格は市販価格等を著しく上回っており、これを主な品目についてみると、次のとおりである。
品目 | (品質・規格) | 単位 | 本件購入単価 | 市販価格等 |
シート |
(ビニール製 3.6m×5.4m) |
1枚 |
円 15,000〜50,000 |
円 2,300又は2,500 |
〃 | (綿帆布製 3.6m×5.4m) | 〃 | 50,000又は60,000 | 18,000 |
マット | (ビニール製 0.9m×1.8m) | 〃 | 30,000〜80,000 | 12,000 |
安全ロープ | (ナイロン製 12mm×200m) | 1巻 | 37,000〜60,000 | 6,500〜7,300 |
天幕 | (ビニロン製 3.6m×5.4m側布付) | 1張 | 648,000 | 120,000 |
ファイル | (紙製 B5版) | 1冊 | 250〜400 | 45 |
そして、これら物品の購入の経緯についてみると、前記の各部局では、団体等の職員と称する者から長時間にわたり執ように物品購入の要請を受けるなど異常な状況のもとで、上記の各開発建設部及び建設機械工作所では、契約事務を行う権限を持たない事務長等がその購入及び購入価格を約束し、これに従って契約事務を行う権限を持っている契約課長等が、また、上記各事務所、出張所及び事業所では、契約事務を行う権限を持っている所長等が同様に約束したうえで、それぞれ価格調査を行う十分な余裕もないまま上記団体等の職員と称する者又はこれらの者から物品納入の依頼を受けた有限会社渡辺商会等と前記の約束した価格により契約を締結し、この種の購入を繰り返して行ったものである。
しかし、これらの物品の購入価格は、この種物品の販売業者について調査すれば著しく高価であることが判明したと認められるのに、このような事態の再発を防止するための対策も講じないまま同様の購入を繰り返したのは、その処置当を得ないと認められる。
いま、仮に本件物品を市販価格等によって購入したとするとその価額は3,477,050円となり、本件購入価額はこれに比べて約1740万円(うち昭和52年度分約1270万円)高価となっていると認められる。