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  • 昭和53年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第2 総理府|
  • (環境庁)|
  • 不当事項|
  • 予算経理

架空の名目によって旅費の支出を受け、これを別途に経理していたもの


(7) 架空の名目によって旅費の支出を受け、これを別途に経理していたもの

会計名及び科目 一般会計
昭和53年度 (組織)環境庁 (項)環境庁 (項)環境保全総合調査研究促進調整費 (項)国立機関公害防止等試験研究費 (項)公害防止等調査研究費 (項)自然公園等管理費 (項)自然公園等施設整備費 (項)未来問題調査研究費
昭和54年度 (組織)環境庁 (項)環境庁 (項)国立機関公害防止等試験研究費 (項)公害防止等調査研究費 (項)自然公園等管理費 (項)自然公園等施設整備費
部局等の名称 環境庁
旅費の概要 公害の防止、自然環境の保護及び整備等の環境保全に必要な業務のための出張
職員等に支給した旅費の総額 53年度 4,352件 171,331,505円
54年度 1,834件 64,828,025円
(54年度は、会計実地検査当時(54年9月21日)までに支出のあったもの)
6,186件 236,159,530円

 環境庁本庁において、架空の名目により旅行命令を受け、これに基づいて支出された旅費を別途に経理していた。 これら不正に経理した旅費の総額は、昭和53年度16,871,210円、54年度5,248,580円計22,119,790円となっており、経理が著しくびん乱している。

(説明)
 環境庁本庁では、環境の保全等の行政に関する業務を実施しているが、この業務に必要な職員等の旅費の予算執行に当たっては、用務の目的に応じてそれぞれの支出科目から国家公務員等の旅費に関する法律(昭和25年法律第114号)及び国家公務員等の旅費支給規程(昭和25年大蔵省令第45号)に従って旅費を支給することになっている。
 しかして、同庁で、昭和53、54両年度に前記各(項)の(目)職員旅費、(目)委員等旅費及び(目)施設施工旅費から職員等に支出した旅費の額は、次表のとおりとなっている。

架空の名目によって旅費の支出を受け、これを別途に経理していたものの図1

 上記6,186件236,159,530円の支出額について、会計実地検査の際調査したところ、旅行命令簿、旅費請求書及び出勤簿等の関係書類を作為するなどの方法により出張の事実がないのに出張したこととして、不正に旅費の支出を受けていたものが全庁23課3室において見受けられた。その内訳は、次表のとおり、53、54両年度において計413件22,119,790円に上っている。

架空の名目によって旅費の支出を受け、これを別途に経理していたものの図2

 上記の不正に支出を受けた旅費は52年度からの繰越額と合わせ別途に各課各室において経理されており、会計実地検査当時1,529,733円を保有していた。そして、不正に経理したものの使途については、当局の説明によると職員の夜食代、会食等の経費に使用したとしているが、これらの事実について帳簿及びその裏付けとなる領収書により確認できたのは、54年度分の計134,410円だけで、残余の20,835,555円については裏付けとなる資料が不備のため、その使途の確認が困難な状況である。

 本件経理はいずれも会計法(昭和22年法律第35号)、国家公務員等の旅費に関する法律等に違反して不正に資金をねん出し使用したものであって、その経理が著しくびん乱していると認められる。