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  • 昭和53年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
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  • 保険

船員保険の保険料の徴収に当たり、徴収額が不足していたもの


(19) 船員保険の保険料の徴収に当たり、徴収額が不足していたもの

会計名及び科目 船員保険特別会計 (款)保険収入 (項)保険料収入
部局等の名称 宮城県ほか6都県、釧路社会保険事務所ほか6社会保険事務所
保険料納付義務者 106船舶所有者

 上記の106船舶所有者から保険料を徴収するに当たって、調査が十分でなかったため、20,303,832円が徴収不足になっていた。これらについては、本院の注意により、すべて徴収決定された。これを都道県ごとに集計して掲げると、別表 のとおりである。

 これは、宮城県ほか6都県及び釧路社会保険事務所ほか7社会保険事務所管内の3,511船舶所有者のうち538船舶所有者について本院が調査した結果である。

(説明)

 船員保険は、主として総トン数5トン以上の船舶所有者(船舶の借入人等を含む。以下同じ。)に雇用される船長、海員及び予備船員(以下「船員」という。)を被保険者として疾病、負傷、失業、老齢等に関し保険金、年金等の給付を行う保険である。そして、その保険料は、被保険者と船舶所有者とが負担し、船舶所有者が納付することとなっている。船舶所有者は、新たに船員を雇用したときには被保険者資格取得届を、被保険者の報酬月額が一定以上増減したときには報酬月額変更届を、また、被保険者の報酬が歩合により定められているときには毎年9月1日現在において報酬月額を算定記載した報酬月額基準日届をそれぞれ都道府県の保険課又は社会保険事務所に提出することになっており、これらの届け書の提出を受けた都道府県の保険課又は社会保険事務所は、届け書に記載された被保険者の報酬月額に基づいて標準報酬月額(注) を決定し、これに保険料率を乗じて得た額を保険料として徴収している。

 しかして、保険料徴収の適否について検査したところ、前記の7都県及び8社会保険事務所のうち7都県及び7社会保険事務所では、船舶所有者が上記の届出に当たり、報酬月額に算入しなければならない諸手当を脱漏していたり、被保険者の報酬月額変更の届出を怠っていたりしていたものなどがあったのに、これに対する調査が十分でなかったため、106船舶所有者分20,303,832円が徴収不足になっていた。

 (注)  標準報酬月額 被保険者に実際に支給される報酬月額とは別個に仮定的に設けられるもので、第1級36,000円から第37級380,000円までの等級に区分され、被保険者の報酬月額はこの等級のいずれかに当てはめられる。

(別表)

都道県名 本院が調査した船舶所有者数 徴収不足があった船舶所有者数 徴収不足額

北海道

49

23
千円
3,828
宮城県 36 3 653
福島県 39 2 405
千葉県 28 6 991
東京都 95 25 4,961
神奈川県 47 6 1,738
福井県 31 3 584
島根県 45 3 2,083
山口県 57 9 908
香川県 25 8 463
愛媛県 57 18 3,684
 計 509 106 20,303

 備考 北海道の分は釧路社会保険事務所、福島県の分は平社会保険事務所、島根県の分は松江、浜田両社会保険事務所、山口県の分は保険課及び下関社会保険事務所、愛媛県の分は松山、今治両社会保険事務所、その他の都県の分は保険課所掌のものである。