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  • 昭和53年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第9 運輸省|
  • 不当事項|
  • 物件

ファイル等の購入価額が著しく高価となっているもの


(72) ファイル等の購入価額が著しく高価となっているもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)運輸本省 (項)運輸本省
(組織)運輸本省試験研究機関 (項)運輸本省試験研究所
  港湾整備特別会計(港湾整備勘定) (項)港湾事業費 (項)港湾事業等工事諸費
部局等の名称 運輸省本省、船舶技術研究所、広島港、名古屋港、清水港各工事事務所
購入物品 ファイル7,815冊、防臭剤3,172個、手袋1,640双、シート18枚、ロープ17巻、マット4枚、封筒500枚
購入価額 7,661,800円(うち昭和52年度契約分6,299,000円)
契約の相手方 東京資材株式会社ほか24名
契約 昭和52年4月〜53年9月 随意契約
支払 昭和52年5月〜53年12月 45回
(うち52年度支払分35回6,299,000円)

 これらの物品の不当な価格での売込みに対して適切な処置を講じないままその購入を繰り返したため、購入価額が約600万円高価となっていると認められる。

(説明)
 これらの物品は、庁用及び港湾整備等の事業用として上記各部局で購入したものである。
 しかして、これらの物品は、いずれも市中で一般に販売されているものであって、これら物品の購入価格と市販価格等とを対比してみると、本件購入価格は市販価格等を著しく上回っており、これを主な品目についてみると、次のとおりである。

品目 (品質・規格) 単位 本件購入単価 市販価格等
ファイル (紙製B5版) 1冊
500又は
520

60
 〃 (紙製A4版) 400又は
560
70
防臭剤 (標準重量160g 又は165g 直径6cm程度) 1個 333〜
600
120
手袋 (綿製) 1双 600又は
833
60
シート (ビニロン製3.6m×5.4m) 1枚 50,000又は
60,000
10,000
安全ロープ (ナイロン製径12mm×200m) 1巻 60,000又は
75,000
6,000

 そして、これら物品の購入の経緯についてみると、前記の各部局では、団体等の職員と称する者から長時間にわたり執ように物品購入の要請を受けるなど異常な状況のもとで、運輸省本省及び船舶技術研究所では、契約事務を行う権限を持たない会計課職員がその購入及び購入価格を約束し、これを受けて契約事務を行う権限を持っている会計課長や所長が、また、上記各工事事務所では契約事務を行う権限を持っている庶務課長が同様に約束したうえで、それぞれ価格調査を行う十分な余裕もないまま上記団体等の職員と称する者又はこれらの者から物品納入の依頼を受けた東京資材株式会社等と前記の約束した価格により契約を締結し、この種の購入を繰り返して行ったものである。

 しかし、これらの物品の購入価格は、この種物品の販売業者について調査すれば著しく高価であることが判明したと認められるのに、このような事態の再発を防止するための対策も講じないまま同様の購入を繰り返したのは、その処置当を得ないと認められる。
 いま、仮に本件物品を市販価格等によって購入したとするとその価額は1,597,890円となり、本件購入価額はこれに比べて約600万円(うち昭和52年度分約490万円)高価となっていると認められる。