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  • 昭和53年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第2 日本国有鉄道|
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  • 役務

契約電力が電力の使用実績に比べ著しく過大となっているのに、契約電力変更の処置を執らなかったため、電気料金が不経済に支払われていたもの


(132) 契約電力が電力の使用実績に比べ著しく過大となっているのに、契約電力変更の処置を執らなかったため、電気料金が不経済に支払われていたもの

科目 (損益勘定) (項)営業費 (項)保守費 (項)管理共通費
(工事勘定) (項)総係費
部局等の名称 (1) 広島鉄道管理局広島電力区
(2)     同     徳山電力区
契約名 電気需給契約
契約の概要 新幹線広島駅西地区及び新岩国駅の高架下の電燈用電力及び空気調和装置等の動力用電力の供給を受ける契約で、契約種別を業務用電力及び予備電力乙とし、契約電力をいずれも600kWとしている。
契約の相手方 中国電力株式会社
契約 (1) 昭和50年2月(毎年自動更新)
(2) 昭和50年4月(毎年自動更新)
支払 (1) 昭和51年5月〜54年4月 36回
(2) 昭和51年5月〜54年4月 36回
支払電気料金 149,908,630円
(1) 54,926,044円 内訳

51年度分 16,999,840円
52年度分 18,708,174円
53年度分 19,218,030円

(2) 94,982,586円 内訳

51年度分 31,442,237円
52年度分 32,863,513円
53年度分 30,676,836円

 この電気料金は、広島駅西地区及び新岩国駅の高架下への入居を予定していた国鉄業務機関及びテナントが見込みどおり入居せず、契約電力が電力使用実績に比べ著しく過大となっているのに、契約電力変更の処置を執らなかったため、約1640万円が不経済になったと認められる。

(説明)

 広島鉄道管理局では、昭和50年3月の新幹線岡山以西の開業に伴い、新幹線広島駅西地区及び新岩国駅の高架下の利用開発を図ることとし、国鉄業務機関(地方自動車局、保線区等)及びテナントを入居させているが、上記の両電力区では国鉄業務機関等が使用する電燈用電力及び空気調和装置等の動力用電力の供給を中国電力株式会社から受けていて、その契約電力を両駅とも600kWとしている。

 しかして、この契約電力の決定に当たっては、国鉄業務機関及びテナントが予定どおり入居した場合の契約負荷設備(注1) の総入力及び契約受電設備(注2) の総容量を、広島駅西地区では1,250kW及び1,050kVA、新岩国駅では1,237kW及び1,000kVAと想定し、同会社の電気供給規程に定める契約電力500kW未満の場合に適用する契約電力の計算方法を準用して、契約負荷設備の総入力に基づいて計算した値を527kW及び523kWとし、これに将来における国鉄業務機関及びテナントの入居に伴う契約負荷設備の増を見込んだうえ、50年2月及び4月に同会社と協議して契約電力を両者とも600kWとして取り決めたものである。

 しかし、両駅のその後の高架下の利用状況をみると、中国地方自動車局等入居を予定していた国鉄業務機関の一部の入居を取りやめたり、また、テナントも見込みどおりに入居しなかったりしたことなどから、51年度以降両駅の電気設備はほとんど変化なく推移している状況であったため、54年1月の本院実地検査の際、当時の電気設備について、電気供給規程により契約電力の値を算定したところ、広島駅西地区は274kW、新岩国駅は489kWとなり、契約電力600kWを著しく下回っている状況であった。そして、電気供給規程によれば、このように契約電力の計算の値が500kW未満になる場合には、計算によって得た値を契約電力とすることになっているのであるから、上記のように電気設備の増設がなく、ひいて契約電力が過大になることが見込まれたときには、使用電力の実績などを調査のうえ早急に契約電力を変更する処置を講ずべきであったと認められる。現に契約当初から54年3月までの間の使用電力の実績をみると、最大需要電力(注3) の最高値は広島駅西地区では207kW、新岩国駅では459kWと契約電力600kWを大幅に下回っている状況である。

 いま、仮に51年度以降における電気需給契約について、電気供給規程に基づいて計算した適正と認められる契約電力(広島駅西地区にあっては274kW、新岩国駅にあっては489kW)により契約を変更したものとして前記の支払電気料金を修正計算すると、総額133,432,692円(うち51年度分43,199,870円、52年度分45,885,255円及び53年度分44,347,567円)となり、支払額を約1640万円(うち51年度分約520万円、52年度分約560万円及び53年度分約550万円)節減できたと認められる。

 (注1)  契約負荷設備 電力を消費する機器類を総称して負荷設備といい、契約上使用することができる負荷設備を契約負荷設備という。

 (注2)  契約受電設備 電力会社から配電線により電力の供給を受けるための変圧器を中心とした設備を総称して受電設備といい、契約上使用することができる受電設備を契約受電設備という。

 (注3)  最大需要電力 負荷設備のか働、休止によって電力の使用実績は変化するものであり、その各月の最高の値(瞬間的なものは除外し一定時間継続する値)。その測定は需要家の受電箇所に計器を取り付けて記録するようになっている。