科目 | (款)建設費 (項)用水路等建設費 |
部局等の名称 | 中部支社、三重用水建設所 |
工事名 | 幹線水路第5工区その1(第1期)工事ほか8工事 |
工事の概要 | 木曾川水系における水資源開発基本計画に基づく三重用水事業の一環として、幹線水路延長5,138m等を建設する工事 |
工事費 | 1,662,600,000円 |
請負人 | 大豊建設株式会社ほか6会社 |
契約 | 昭和52年6月、同年9月、53年3月 指名競争契約又は指名競争後の随意契約 |
しゅん功予定年月(当初) | 昭和52年10月〜54年3月 |
支払 (前払金) |
昭和52年7月、同年10月、53年3月(前払金総額613,600,000円) |
上記の各工事は、契約当時、この工事によって影響を受ける既設用水に対する対策又は用地買収等の諸問題が解決しないため、契約締結後も工事の着工時期の見通しが立っていないのに、取り急ぎ契約を締結し前払金総額613,600,000円を支払ったもので、その処置当を得ないと認められる。
(説明)
上記各工事は、三重県四日市市ほか2市8町の農地7,685haの農業用水と四日市市等の都市用水を確保するため、同県員弁郡藤原町地先の中里貯水池から三重郡菰野町地先の宮川調整池までの幹線水路の一部延長5,138m等を建設するもので、昭和52年6月から53年3月までの間に、いずれも契約日の翌日から着工することとして、契約を締結している。
しかるに、これらの工事の契約後の状況についてみると、いずれも契約日の翌日には上記各部局の指示に基づいて工事を中止しているが、工事中止後3日ないし1箇月後に契約約款に基づいて請負人が請求した前払金総額613,600,000円を支払っていた。そして、その後実際に着工したのは、契約日からおおむね9箇月ないし16箇月を経過した53年12月から54年2月までの間に着工した5工事(契約総額1,159,800,000円)だけで、残余の4工事(同502,800,000円)については、54年9月末においても、なお着工するに至っていない状況である。
しかして、これらの工事は52年度当時公共事業の促進が要請されており、これに応える要があるとして契約を締結したものであるが、当時地元関係者が工事に伴い影響を受ける生活用水等の問題について解決しない限り工事着工に応じられないとして強く反対していたり、用地買収価格の折り合いがつかないなどのため用地交渉が未解決であったりなどしていて、いずれも工事に着手できる条件が整っていなかったところから、入札に先立って指名業者に対して行う現場説明の際にも、同部局が指示するまで現地立入りを控えるよう指示している状況で、契約締結日の翌日には工事を中止したにもかかわらず、取り急ぎ多額の前払金を支払ったのは、その処置当を得ないと認められる。