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  • 昭和53年度|
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契約電力が電力の使用実績に比べ著しく過大となっているのに、契約電力変更の処置を執らなかったため、電気料金が不経済に支払われてしいたもの


(144) 契約電力が電力の使用実績に比べ著しく過大となっているのに、契約電力変更の処置を執らなかったため、電気料金が不経済に支払われていたもの

科目 (全国勤労青少年会館勘定)
(款)全国勤労青少年会館事業費(項)業務諸費
部局等の名称 全国勤労青少年会館
契約名 電気需給契約
契約の概要 全国勤労青少年会館のホール、結婚式場等の電燈用電力及び冷凍機、空気調和装置等の動力用電力の供給を受ける契約で、契約種別を業務用電力、契約電力を4,100kWとし、契約は毎年自動更新される。
契約の相手方 東京電力株式会社
支払 昭和51年5月〜54年7月 39回
支払電気料金 499,488,853円 内訳 51年度分 142,184,142円
52〃 160,569,832円
53〃 155,506,247円
54〃(6月まで) 41,228,632円

 この電気料金は、上記会館のホール等の電燈用電力及び冷凍機等の動力用電力の契約電力が電力使用実績に比べ著しく過大となっているのに、契約電力変更の処置を執らなかったため、約2560万円が不経済になったと認められる。

(説明)

 全国勤労青少年会館では、東京電力株式会社から電燈用及び動力用の電力の供給を受けていて、その契約電力は昭和48年の開館当初から4,100kWとなっている。

 しかして、同会館における電力使用の状況を調査したところ、各年度における最大需要電力(注) の最高値は、強く冷房するなどして冷凍機等の使用台数が多かった同会館の開館当初の48年度においてさえも3,420kWであり、その後オイルショックによる国のエネルギー節減の方針もあって、冷房を適度に維持することとして冷凍機等の使用台数を減少させた翌年度以降においては、49年度2,820kW、50年度2,970kW、51年度2,940kW、52年度2,940kW、53年度2,820kWとなっていて、各年度とも契約電力を著しく下回っている。

 しかして、東京電力株式会社の電気供給規程によれば、業務用電力の契約電力が500kW以上の場合は、使用する負荷設備(電力を使用する機器)、受電設備(電力の供給を受けるための変圧器等の設備)の内容及び最大需要電力の実績等を基準として、需要家と電力会社との協議によって契約電力を変更できることになっているのであるから、上記のように、契約電力が電力使用実績に比べ著しく過大となっている場合には、最大需要電力の動向を見極めたうえ、契約電力変更の処置を講ずべきであったと認められる。

 いま、仮に電気需給契約を変更するためには、冷凍機等の使用台数を減少させた49年度以降2箇年程度の実績を確認する必要があったものとして、51年度以降における電気需給契約について、49、50両年度間の最大需要電力の最高値である50年8月の2,970kWに10%程度の余裕を見込んで、契約電力を3,300kWにしていたとすれば、51年度から54年度の6月までの電気料金は総額473,882,740円(うち51年度分134,892,129円、52年度分152,430,232円、53年度分147,366,647円及び54年度分39,193,732円)となり、約2560万円(うち51年度分約720万円、52、53年度分各約810万円及び54年度分約200万円)を節減することができたと認められる。

最大需要電力 負荷設備のか働、休止によって電力の使用実績は変化するものであり、その各月の最高の値(瞬間的なものは除外し一定時間継続する値)。その測定は需要家の受電箇所に計器を取り付けて記録するようになっている。