ページトップ
  • 昭和53年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第17 宇宙開発事業団|
  • 不当事項|
  • 物件

電子計算機の賃貸借契約の更新に当たり、保有機器の利活用を図らなかったため、不経済になったもの


(149) 電子計算機の賃貸借契約の更新に当たり、保有機器の利活用を図らなかったため、不経済になったもの

科目 (款)事業運営費 (項)一般研究費
部局等の名称 種子島宇宙センター
契約の概要 野木レーダステーションにおいてロケットの誘導計算に使用するため三菱電機株式会社製のMELCOM7700電子計算機一式を賃借するもの
契約額
(賃借料支払額)
月額7,915,000円 年額94,980,000円
契約の相手方 日本電子計算機株式会社
契約 昭和53年4月(当初契約51年4月 毎年度首自動更新)
支払 昭和53年5月〜54年3月 12回

 この契約の更新に当たって、電子計算機を構成する機器の一部について、賃借に代えて、上記宇宙センターの他の部署において使用の計画がなくなった装置の構成機器の利活用を図ったとすれば、賃借料を約1270万円節減できたと認められる。

(説明)

 この契約は、種子島宇宙センターの野木レーダステーションにおいてロケットの誘導計算に使用するため、日本電子計算機株式会社から三菱電機株式会社(以下「三菱電機」という。)製のMELCOM 7700電子計算機を賃借したもので、この電子計算機は中央処理装置8401、高速システムディスク装置7204及び磁気テープ装置7322−Nほか21品目で構成されている。

 一方、宇宙開発事業団本社で人工衛星の性能及び機能を総合的に測定するための装置として、三菱電機に製作させ、昭和50年3月に同宇宙センターの大崎射場に設置したETS−I・ISS射場チェックアウト装置(注1) (以下「チェックアウト装置」という。)は、50年4月から53年2月までの間に技術試験衛星I型及び電離層観測衛星等の開発に使用したことでその目的を終了し、53年3月以降は使用計画がないまま同宇宙センターが保管していたが、この装置(データ中央処理部、ディジタル周辺機器部及び入出力信号切換部等からなっている。)のうち、ディジタル周辺機器部に含まれている三菱電機製の高速システムディスク装置7204ほか8品目(注2) は本件賃借機器の構成品のうちの9品目と全く同一の機器で、従来何等支障なく使用してきており、しかも、なお相当の耐用年数を存しているのであるから、これらは本件賃借機器に支障なく転用できたものである。

 しかるに、同事業団では上記のチェックアウト装置の各構成機器のうち、その一部を技術試験衛星IV型のチェックアウト装置等に転用しただけで、上記の9品目を含む、大部分の機器は使用の見込みがないとして54年3月に不用決定のうえ、54年6月にこれを廃棄処分しているのは適当ではなく、チェックアウト装置の使用目的が終了した後の53年4月の本件賃借機器の契約更新に際し、上記の9品目に相当する機器については同月以降賃借を行わないこととし、これに代えて上記の9品目を充てることにより、その利活用を図るべきであったと認められる。

 いま、仮に上記の措置を執ったものとして本件賃借料を修正計算すると、その月額は5,690,000円、年額は68,280,000円となり、この措置を執ることにより新たに必要となる機器の交換のための費用9,931,000円及び交換機器に対する保守費3,994,320円の全額を控除しても本件賃借料は約1270万円が節減できたと認められる。

 (注1)  ETS−I・ISS射場チェックアウト装置 技術試験衛星I型(ETS−I)及び電離層観測衛星(ISS、ISS−b)に対して電気性能試験、スピン試験を射場で行い、その機能をチェックする装置

 (注2)  高速システムディスク装置ほか8品目 高速システムディスク装置、高速システムディスク制御装置、磁気テープ装置、磁気テープ制御装置、タイプライタ、カード読取装置、ラインプリンタ装置、単回線通信制御装置、全二重機構