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  • 昭和53年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第22 日本私学振興財団|
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  • 補助金

私立大学等経常費補助金の経理が不当と認められるもの


(161)−(164) 私立大学等経常費補助金の経理が不当と認められるもの

科目 (補助金勘定) (款)補助金 (項)補助金
部局等の名称 日本私学振興財団
補助の対象 私立大学等における専任教職員の給与及び教育研究に要する経常的経費
補助の根拠 私立学校振興助成法(昭和50年法律第61号)
事業主体 学校法人 福岡大学ほか3学校法人
上記に対する財団の補助金交付額の合計 2,100,491,000円

 上記の4事業主体において、補助金の交付を受けるため日本私学振興財団に提出する資料に、経常的収入となる寄附金の一部を記入していなかったり、算入すべきでない額を含めて専任教職員給与の支給額を記入したりしているのに、同財団では、これに基づいて補助金額を算定したため、補助金16,455,000円が過大に交付された結果となっている。これを学校法人別に掲げると、別表 のとおりである。

(説明)
 この補助金は、私立学校振興助成法に基づき、私立大学等の教育研究条件を整備して教育の充実向上を図り、併せて経営の健全化に寄与することを目的として日本私学振興財団(以下「財団」という。)が国の補助金を財源として私立大学等における専任教職員の給与及び教育研究に要する経常的経費に充てるため学校法人に交付するものである。そして、財団では、補助金の交付に当たっては、学校法人にその設置する大学等の専任教職員の数及び年間給与支給額、収入支出等に関する資料を提出させ、この資料に基づき、専任教職員数に年間平均給与費等を乗じて得た額等に、上記収入支出に関する資料から得られる経常的支出額に対する経常的収入と経常的支出との差額の割合等を勘案した調整係数を乗じて増額又は減額するなどの方法により補助金額を算定することになっている。
 しかして、前記の4事業主体は、上記の資料に、経常的収入となる寄附金の一部を記大していなかったり、通勤手当のうち算入すべきでない額を含めて専任教職員給与の支給額を記入したりしていて、補助金16,455,000円が過大に交付された結果となっている。

(別表)

事業主体 年度 補助金交付額 不当と認めた補助金額




(161) 学校法人 福岡大学 52 千円
1,737,109
千円
12,810

 上記学校法人は、財団に提出した資料に、福岡大学の経常的収入を13,223,087,000円としていたが、これには文科系学部の昭和51年度入学者に係る用途指定のない寄附金763,500,000円を含めていなかった。
 しかし、この寄附金は一般寄附金収入として経常的収入となるものであるから、これを考慮すれば、経常的支出額に対する経常的収入と経常的支出との差額の割合を勘案した調整係数が異なることになり、ひいては補助金の交付額が過大となっていた。
(162) 学校法人 東北歯科大学 52 69,417 674
53 98,712 1,171
 上記学校法人は、財団に提出した昭和52及び53年度分の資料に、財団から示された資料作成上の注意に反して、通勤手当のうち算入すべきでない額を含めた専任教職員の年間給与支給額564,753,678円及び659,579,644円を記入していて、財団では、この支給額に基づいて年間平均給与費を算出したため、ひいては補助金の交付額が過大となっていた。
(163) 学校法人 西日本短期大学 53 40,209 1,170

 上記学校法人は、財団に提出した資料に、財団から示された資料作成上の注意に反して、通勤手当のうち算入すべきでない額を含めた専任教職員の年間給与支給額57,339,320円を記入していて、財団では、この支給額に基づいて年間平均給与費を算出したため、ひいては補助金の交付額が過大となっていた。
(164) 学校法人 九州学園 52 155,044 630
 上記学校法人は、財団に提出した福岡女子短期大学に係る資料に、財団から示された資料作成上の注意に反して、通勤手当のうち算入すべきでない額を含めた専任職員の年間給与支給額78,387,115円を記入していて、財団では、この支給額に基づいて年間平均給与費を算出したため、ひいては補助金の交付額が過大となっていた。

2,100,491 16,455