昭和５３年度決算検査報告
この公庫は、沖縄における産業の開発を促進するため、長期資金を供給すること等により一般の金融機関が行う金融及び民間の投資を補完し又は奨励するとともに、沖縄の国民大衆、住宅を必要とする者、農林漁業者、中小企業者、病院その他の医療施設を開設する者、環境衛生関係の営業者等に対する資金で一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通し、もって沖縄における経済の振興及び社会の開発に資することを目的として設置されているもので、５３年度末現在の資本金は２４６億５５９９万余円となっている。
５３年度の収入支出決算についてみると、収入では収入済額２８８億８４１０万余円、支出では、支出済額２７３億７７９４万余円、不用額１８億９２７７万余円となっている。不用額の主なものは支払利息（支出予算現額２６２億２６０８万余円）の１５億０７２９万余円である。
上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、貸付け１５，５７０件１２１８億６２２３万余円、貸付金回収４５０億７２８９万余円で５３年度末における貸付金の残高は７６，０８３件４２８６億０５６９万余円となっている。また、この貸付金残高のうち弁済期限を６箇月以上経過した元金延滞額は１４５億１０３７万余円（うち１年以上延滞のもの１４０億７１１４万余円）となっている。
なお、５３年度における損益についてみると、貸付金利息等の利益、借入金利息等の損失ともに３３５億７１１２万余円となっている。また、同年度末における借入金の残高は３９８９億７９９８万余円（資金運用部資金、簡易生命保険及び郵便年金の積立金、米国商品融資公団等からの借入金）となっている。