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  • 昭和53年度|
  • 第4章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 4 公団、事業団その他8団体の決算

地域振興整備公団


(14) 地域振興整備公団

 この公団は、地域社会の中心となる都市の開発整備等に必要な業務、工業の再配置の促進に必要な業務及び石炭鉱業の不況により特に疲弊の著しい産炭地域における鉱工業等の振興に必要な業務を行うことにより、全国的な人口及び産業の適正な配置と地域住民の福祉の向上に寄与することを目的として設置されているもので、53事業年度末現在の資本金は694億3500万円(全額国の出資)となっており、同公団の会計は、地方都市開発整備等事業、工業再配置事業、産炭地域振興事業の3勘定に区分して経理されている。

 (地方都市開発整備等事業勘定)

 この勘定は、健全な市街地を形成するため必要な宅地の造成等の業務に関する経理を行うものである。

 53事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額21億5589万余円、支出では、支出決定済額157億3454万余円、翌事業年度への繰越額129億1216万余円、不用額125億0061万余円となっている。
 翌事業年度への繰越額の主なものは地方都市開発整備事業費(支出予算現額312億0900万円)の128億9900万円であり、不用額の主なものは、地方都市開発整備事業費の94億1588万余円及び利子及債券発行諸費(同61億9900万円)の19億1443万余円である。

 前記の支出に係る業務実績の主なものは、宅地造成のための土地65万余m2 の取得である。
 なお、53事業年度における損益についてみると、関連公共施設譲渡収入等の収益、関連公共施設譲渡原価等の費用ともに7億4864万余円となっている。また、53事業年度末における借入金の残高は234億円(全額資金運用部資金からの借入金)、地域振興整備債券の発行残高は310億2110万円となっている。

 (工業再配置事業勘定)

 この勘定は、工業の再配置を促進するため必要な工場用地の造成、工業の集積の程度が低い地域に工場移転のため必要な資金の貸付け等の業務に関する経理を行うものである。

 53事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額286億7170万余円、支出では、支出決定済額497億7672万余円、翌事業年度への繰越額36億3499万余円、不用額252億8898万余円となっている。
 翌事業年度への繰越額の主なものは造成直接費(支出予算現額172億3000万円)の36億2300万円であり、不用額の主なものは、跡地見返資金(同280億円)の154億3063万余円及び造成直接費の51億1162万余円である。

 前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、9工場団地に係る用地の造成、及び跡地見返資金等の貸付け27件155億7500万円、貸付金の回収218億4698万余円で、53事業年度末における貸付金残高59件308億6929万余円となっており、また、この貸付金残高のうち弁済期限を6箇月以上経過した元金延滞額は54億0929万余円(すべて1年以上延滞)となっている。

 なお、53事業年度における損益についてみると、事業外収益等の収益、融資事業総係費等の費用ともに70億8083万余円となっている。また、53事業年度末における借入金の残高は169億円(全額資金運用部資金からの借入金)、地域振興整備債券の発行残高は658億2740万円となっている。

 (産炭地域振興事業勘定)

 この勘定は、産炭地域振興のため必要な鉱工業等の用に供する土地の造成、設備資金の貸付け等の業務に関する経理を行うものである。

 53事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額356億2001万余円、支出では、支出決定済額367億1603万余円、翌事業年度への繰越額35億6619万余円、不用額147億2817万余円となっている。
 翌事業年度への繰越額の主なものは造成直接費(支出予算現額147億0508万余円)の33億0750万円であり、不用額の主なものは、造成直接費の67億1262万余円及び設備資金(同162億円)の53億4490万円である。

 前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、鉱工業等の22団地に係る用地の造成、及び設備資金等の貸付け103件122億7600万円、貸付金の回収119億6735万余円で、53事業年度末における貸付金残高1,085件707億6062万余円となっており、また、この貸付金残高のうち弁済期限を6箇月以上経過した元金延滞額は34億4601万余円(うち1年以上延滞のもの33億4959万余円)となっている。

 なお、53事業年度における損益についてみると、土地売上高等の収益146億2128万余円、融資事業総係費等の費用134億7539万余円で、11億4588万余円の利益を生じており、この利益は翌事業年度に利益積立金として積み立てられることになっている。また、53事業年度末における借入金の残高は793億1663万余円(全額資金運用部資金からの借入金)となっており、利益積立金の残高は41億1321万余円となっている。